●戦争と平和について
【世界の賢者・格言集】by はやし浩司(09年4月8日版)++++++++++++++++++勇ましい好戦論ばかりが、聞こえてくる。しかしそれを唱える人にかぎって、自分では戦争に行こうとしない。人、とくに若い人たちに向って、「戦え、戦え」と言いながら、自分では、奥の座敷でそれを見物している。愚かな核武装論にしても、そうだ。もし日本が核武装するなら、一撃で、中国全土、あるいはロシア全土を廃墟にできるほどの数の核兵器をもたねばならない。が、それができないというのであれば、(できるわけがないのだが……)、最初からもつのをやめるべきだ。日本の平和と安全を守りたいなら、まず、相手に脅威を与えないこと。かつてあのインドのネール首相は、こう言った。『『ある国が平和であるためには、他国の平和もまた保障されねばならない。この狭い、相互に結合した世界にあっては、戦争も、自由も、平和も、すべてたがいに連動している』(「一つの世界をめざして」)と。では、どうすべきか。今、世界中が、国際化し始めている。恩師の田丸先生は、こう教えてくれた。「中国の若い男女を見ていると、日本の男女とどこも区別がつかなくなってきています。情報化がたがいに進めば、やがて中国も日本もなくなりますよ」と。私たちがめざすべき未来の世界は、けっして対立する世界であってはいけない。仮に為政者たちが対立しても、中身の人間が同じになれば、やがて戦争は必然的に消滅する。私たちがめざすべき世界は、そういう世界をいう。戦争について、考えてみたい。+++++++++++++++++++●戦争についてAllow the President to invade a neighboring nation, whenever he shall deem it necessary to repel an invasion, and you allow him to do so, whenever he may choose to say he deems it necessary for such a purpose -- and you allow him to make war at pleasure. If today, he should choose to say he thinks it necessary to invade Canada, to prevent the British from invading us, how could you stop him? You may say to him, 'I see no probability of the British invading us' but he will say to you, 'Be silent; I see it, if you don't.'" - - Abraham Lincoln(A・リンカーン)すべての大統領に、彼が侵略を追い払うためにそれが必要と思うなら、隣国を侵略することを許せ。またその目的のためにそれが必要だというのなら、隣国を侵略することを許せ。そして大統領が望むまま戦争することを許せ。もし今日、英国がわれわれを侵略することを防ぐため、カナダを侵略するのが必要という判断を大統領が下したのなら、だれが彼を止めることができるのか? あなたは「英国が我々を侵略する可能性はありません」と言うかもしれないが、私は、こう言うだろう。「黙っていろ。もしあなたがわからないなら、私がそれを知る」と。The pioneers of a warless world are the youth that refuse military service. - Albert Einstein(A・アインシュタイン)戦争のない世界における囚人は、軍役を拒否する若者たちである。A country cannot simultaneously prepare and prevent war. - Albert Einstein(A・アインシュタイン)国というのは、戦争を準備することと、戦争を防ぐことは、同時にはできないものである。Never has there been a good war or a bad peace - Benjamin Franklin(B・フランクリン)今だかって、よい戦争もなければ、悪い戦争もなかった。Every gun that is made, every warship launched, every rocket fired signifies, in the final sense, a theft from those who hunger and are not fed, those who are cold and not clothed. - Dwight D. Eisenhower(D・D・アイゼンハウワー)どんな銃であれ、戦艦であれ、ロケットであれ、つまるところ、それらは、食物を与えられず飢えている人から、ものを盗むようなもの。衣服がなく、寒さに震えている人から、ものを盗むようなもの。We have to face the fact that either all of us are going to die together or we are going to learn to live together and if we are to live together we have to talk. - Eleanor Roosevelt(E・ルーズベルト)私たちは、つぎの事実に直面しなければならない。私たちみなは、いっしょに死ぬか、でなければ、いっしょに生きるかのどちらかである。もしいっしょに生きるならば、まずたがいに対話をしなければならない。●恐れについてTaking a new step, uttering a new word, is what people fear most. - Dostoyevsky(ドストエフスキィ)新しい行動に出ること、新しい言葉を発すること……それが人々がもっとも恐れることだ。Without fear and illness, I could never have accomplished all I have. - Edvard Munch恐れと病気がなかったら、私は今私がもっとているものすべてを完遂できなかっただろう。If someone betrays you once it is their fault, if someone betrays you twice it is your fault. - Elenor Roosevelt (E・ルーズベルト)誰かが1度、あなたを裏切ったら、それは彼らの責任だ。しかしもしあなたが2度裏切られたとするなら、それはあなたの責任だ。To suffering there is a limit; to fearing, none. - Francis Bacon(F・ベーコン)苦しみに対しては、制限がある。しかし恐れることには、制限はない。I must not fear. Fear is the mind-killer. Fear is the little-death that brings total obliteration. I will face my fear. I will permit it to pass over me and through me. And when it has gone past I will turn the inner eye to see its path. Where the fear has gone there will be nothing. Only I will remain." - Frank Herbert, Dune - Bene Gesserit Litany Against Fear私は恐れてはならない。恐れは、心を殺す。恐れは小さな死であり、それはすべてを忘れさせる。私は恐れに立ち向かうだろう。私はそれを私の中を通過するのを許すだろう。そしてそれが過ぎ去ったとき、それが通り過ぎた道を見るため、心の中の目に振り向く。恐れが去ったとき、そこには何もない。ただ私が残っているだけ。The fear of aesthetics is the first symptom of powerlessness. - Fyodor Dostoevsky, "Crime and Punishment"(ドストエフスキィ・「罪と罰」)美の哲学としての恐れは、無力の同意語である。One of the things which danger does to you after a time is -, well, to kill emotion. I don't think I shall ever feel anything again except fear. None of us can hate anymore - or love. - Graham Greene - The Confidential Agent (1939)危険というものをしばらく経験したあとにやってくるものの一つは、感情を失うということ。恐れ以外に再び何も感じないだろう。だれもなにも恨むこともなければ、愛することもない。War is an ugly thing, but not the ugliest of things. The decayed and degraded state of moral and patriotic feeling which thinks that nothing is worth war is much worse. The person who has nothing for which he is willing to fight, nothing which is more important than his own personal safety, is a miserable creature and has no chance of being free unless made and kept so by the exertions of better men than himself. - John Stuart Mill(J・S・ミル)戦争は醜いもの。が、もっとも醜いものではない。道徳や愛郷心が腐敗し、堕落すれば、何も価値がないと思うようになり、それが戦争をさらに悪くする。喜んで戦うべきものをもたない人、つまり己の安全のみ以上に、大切なものをもたない人は、あわれな生き物であり、もし、今以上によりよい自分になるためにそうしているのでないというならば、自由の感覚を味わうことはない。Hiroshi Hayashi++++++++April. 09+++++++++はやし浩司