監督 : スーザン・ストローマン 出演 : ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン、ゲイリー・ビーチ、ウィル・フェレル
時代はどうやら1950年代、ニューヨーク、ブロードウェイで落ち目になったプロデューサー、マックスはプロデューサーを夢見る会計士レオと組んで、「ショウビズ界で確実にもうける法則」を行動に移す。最低のミュージカルをつくる。→一晩でショウがこける。→制作費を持ち逃げする。という次第である。ヒトラーマニアのフランツの脚本を、ゲイの演出家チームを、田舎丸出しの女の子を雇って、さあ「こける」段取りはついた……
一番最後の歌に「クギを刺された」のであまり悪いことは言うつもりはない、言うまいと思ったが、やはり黙っておくべきではないと思ったので「一言だけ」。この映画、シネコンなら客の入りが八割を越えた時点でチケットを買うという手続きをとることをお奨めする。私の買ったチケットは平日の昼のせいか、数えるぐらいしかいなかった。それで一番最初の歌場面で、あれは「つかみ」のはずなんだけど、誰もクスリともしなかったのである。作品がひどい、というつもりはない。ただ、この手のコメディミュージカルで観客層(私も含む)が悪いと、もう目も当てられない。
最初からほぼ先の展開が読めるので、後は部分部分の台詞の妙や、歌の上手さや、言葉遊びを愉しむしかないのであるが、後ろ二つに関して言えば、オンチで英語が出来ない私には苦手な分野。台詞の妙味については翻訳者(戸田奈津子)のせいか、イマイチだった。いやいや、テーマ的には良かったんですよ。プロデューサーというのは本来泥をかぶるべき役割のはず。その葛藤を題材に取った時点で、にやりとします。毒のある登場人物たち、ユマ・サーマンとマシュー・プロデリックの身長差たっぷりのダンス、等幾つか見所はありました。「クギを刺された」最後の歌は最高なので、エンドロールの最後まで見るように。
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