6886818 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

源氏物語〔2帖帚木 … New! Photo USMさん

天空のポピー園 New! 七詩さん

『中国共産党支配の… New! Mドングリさん

週刊 読書案内 吉… New! シマクマ君さん

韓国旅行2024春旅・… New! suzu1318さん

カレンダー

2007年03月23日
XML
カテゴリ:水滸伝
「国民投票法案の与党修正案のなかで船田元・理事は、公務員・教育者の「地位を利用」した改憲の賛否についての働きかけに関連して、削除することでいったんは与党内で合意していた罰則規定を再び盛り込む方針を示した。 船田氏は「地位利用」の具体例について「大学の授業で改憲に反対しなければ単位を与えないといった行為」と説明し、こうした場合には「罰則を設ける方向で公明党と調整する」と説明した。」
というニュースが23日16時19分に発信されていますが、なんという貧しい発想なのでしょうか。そんな馬鹿らしい対応をする教授は黙っていても淘汰されるでしょうに。(もっとも実際に出てくるのは「改憲に賛成しなければ」の教授でしょうが。)今の支配者層は「生徒に校則を作る」ことしか考えていないようです。

「水滸伝」(北方謙三 集英社文庫)は四巻目まで読み進みました。こちらの支配者側はよっぽどしたたかです。

梁山泊の隠れ棟梁の宋江は旅に出、「この国は腐っているが、しかしまだ強いな。大きな城郭には、私の触れ書きがある。そんなものを、短い時間に全国に回すだけの力が役所にはある。」等、全国の実情、民の姿を知っていく。
「各地に同士はおりますが」
「点をおさえているだけだ、という気がしてきた。この国は面であるのにだ。点を面に広げるには、まだ時が必要だろう。」
「そういうものですか。」
「武松、お前はどう思うのだ?」
「点は瞬時にして面に拡がっていく。そう思います。何かひとつ大きなことがあれば、点ははじけたようになり、面に拡がるのではないでしょうか。」
「それもひとつの考えだな。しかし、点がはじけることは、あまり期待できぬぞ。」
「民はやはり弱いものですか。」
「たぶんな。」


いまインターネット上で「不安倍増の馬鹿ヤロー」といっている人たちも、いわば「点」でしかないだろう。この物語の上ではこの「点」がこれ以降、どのようになっていくのか、あと15巻の物語を見守っていきたい。

一方支配者側を陰で操る青蓮寺ではこんな会話が交わされる。
「梁山泊とは何だ、洪清?」
「おき火のようなものでございましょう。人民という灰に埋もれた、おき火です。」
(略)人民をすべて灰にする。政事にとってはそれが最もいい方法だ。蔡京(表の政治家。宰相)を唯一と言っていいほど評価できるのは、人民を灰にしようと努めている事だった。灰は、灰なりに静かなたたずまいがある。それはけっして、不幸ということではない。
「しかしこの数年で、灰の中から枯れ草が出てきたな。」
「たとえ出てきても、まわりは全部、灰。そう思わせられるかどうかが、殿の勝負でございましょう。」


青蓮寺の首領、袁明にもそれなりの理想はあるらしいが、どうもその理想とする美しい国は「静かな灰のような世界」らしい。まるでどこかの国の首相のようである。袁明は理想のためには手段を選ばない。自分に忠実で優秀な部下、李富の恋心さえ利用しようとする。

梁山泊の間者であった馬圭を、どれほど使えるのか。そこに、大きな勝負がかかっているような気がする。梁山泊さえ潰してしまえば、勝負は見えてくる。枯れ草は枯れ草のままで火がつくことはなくなるのだ。
李富が、馬圭と男と女になった。それだけでは足りない。溶け合うように、思い合うこと。それではじめて馬圭は自分の意志で動くだろう。そしてこちらの力になる。


巧妙に張られた罠にはまり、馬圭はまんまと二重スパイになる。最初の大きな悲劇が近づいている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年03月24日 02時46分35秒
コメント(2) | コメントを書く
[水滸伝] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月

© Rakuten Group, Inc.