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カテゴリ:読書フィクション(12~)
「家族写真」笹本敦史 「民主文学」1月号より 作家の笹本敦史氏から、氏の短篇が載った雑誌をいただいた。年を跨いだが読ませてもらった。 前回と前々回において、小さな労働組合の誕生物語という堅いテーマを、キャラクターを際立たせ語らせるというエンターテイメント小説の手法で持って見事に描いた氏は、今度は自ら(と思われる)の両親の介護と看取りをテーマに、やはり会話の形式を重視しながら淡々と描いてみせた。 偶然にも私は、一昨年から去年にかけて、伯父と伯母を施設に入れたし、2人の葬式の喪主ともなった。そのあとも手続きにずっと関わり、また現在している仕事も老いや認知症と無関係ではない。そんな私にとって、この作品の「私」の(家族としての歴史はかなり異なるものの)晩年の両親の姿はよく理解出来るものばかりだった。 「私」が出会う両親の新しい態度は、やはり家族の歴史であり、両親の人生なのだと思う。 それはやはり誰にとっても全て新しく、そして大切な体験だった、そういう意味では「普遍的なテーマ」だったのだと、この小説を読みながら思った。 2015年1月15日読了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年01月27日 14時35分26秒
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