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再出発日記

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2016年11月18日
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カテゴリ:中江兆民


民権派は弾圧されると、暫く大人しくして居たが、やがて反撃に出る。その一つが大同団結運動である(←これも現代と同じ)。


 1887年(明治20年)10月3日後藤象二郎は丁亥倶楽部を設立して有志の団結訴え、次第に大同団結運動の中心的指導者になった。政府は翌年2月に大隈重信を入閣させてその分裂を謀ったが、後藤らは東北・東海・北陸各地の遊説、機関紙「政論」発行により運動を拡大した。民権派も、板垣退助の分裂策動から学んだわけだ。



当時の日本の民衆には、日本の政治に対していくつもの不満が渦巻いていた。それを三つの要求にまとめたのが自由民権運動だった。

一つは条約改正問題である。不平等関税と治外法権は、支配層も認める外交的汚点である。民衆は、外国に対してきちんと物申せない政府に腹を立てていて、それを理論的に批判する民権志士たちを支持した。この力関係は、現在にもある。言い換えれば、日本の政治にとって、いつもウイークポイントは「外交」なのである。

話はずれるが、私は政府の外交失策をもっと追求すべきだと思う。一つは核兵器禁止条約。一つは世界で日本にだけ不平等基地問題を押し付けている沖縄問題。ここが、国民的な要求になれば、政府を追い詰めることが出来る。

あとのふたつは内政問題。
一つは知識人・民権志士にとって最も切実な問題。「言論集会の自由」である。
一つは、庶民にとって最も切実な問題。「税制の軽減」である。
この三つを誰がまとめたのか。私は植木枝盛だと推察しているが、確証がない。この頃、民権派と政府はものすごい「頭脳戦」をしている。

ともかくも民権派は明治20年10月29日、東京で諸県代表が会合、各地方から建白書を提出し、委員を上京させることを決定した。
「租税徴収ヲ軽減スヘキ事」
「言論集会ヲ自由ニスヘキ事」
「外交失策ヲ挽回スヘキ事」
世に云う三大事件建白運動である。
土佐では、県下全域の各階層が参加した最大規模の自由民権運動に発展した。上京した総代人や壮士たちの運動により、東京は騒然となった。


写真は中江兆民が援助した漫画雑誌「トバエ」に出たビゴーによる「土佐に気をつけろ」。土佐の動向を気にする伊藤内閣の面々である。


三大事件建白運動を受けて、政府は伝家の宝刀を出す。明治20年12月26日、建白運動の始まりからたった56日後、突如、保安条例を発して活動家を東京から追放し、危機を切り抜けたのである。このスピードは敵ながらあっぱれという他はない。

これによって、もともと東京に居た中江兆民は、活動拠点を大坂に移した。保安条例の退去命令を拒否して投獄されたのは、全員土佐の民権家だった。

その時に彼らが新しく作った「保安条例廃止の建白書」には、このように書いている。現代文に直す。「国家が滅亡しようという時に、これを傍観視することは出来ない。むしろ、法律で罪人となろうとも逃げて亡国の民になりたくない」。ほんのちょっと前(30年前)の安政の大獄では、先人たちは命を課して罪人となった。今はそうならない可能性が大きい。切腹の覚悟と比べたら、これぐらいはどうってことはない。というのが、彼らの気持ちだったのではないか。


彼らはほとんど明治22年の大日本帝国憲法発布の大赦により出獄した。写真はその時の記念写真。二段目真ん中の幼顔の青年が、その後の土佐の民権運動をリードする片岡健吉である。





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最終更新日  2016年11月18日 11時04分39秒
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