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2017年12月09日
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文学日記(2)
福永武彦の「深淵」。信仰篤い処女の35歳女性と、放火殺人犯との出逢いと2人が堕ちてゆく様を描く。1956年刊行。この同じ年に「古事記」の現代語訳も出している。そのせいか、端正でおとなしい文章というイメージとは違う、荒々しい描写が続く。2人の交互の独白というスタイルは、今では珍しくはないが、この当時はどうだったのか。太宰かいたから、そんなには珍しくはなかったかも。

ずっと、聖女のように周りから見られ本人もそう努力してきた女性の「隠れた欲望」が露わになるのは堀辰雄「ほととぎす」と同じ。現代小説なので、非常に精微に描かれる。

そして1人の女が欲しいというただそれだけのために放火さえもする男は、もしその情熱を正しく向ければ、わたしの代わりに、天主さまを愛するようにならないでしょうか。もし、わたしがこの男に、肉体のほかに魂があり、わたしたちは永遠の魂のために生きているのだと教えることができたならば、そこに奇蹟の起きることはあり得ないでしょうか。(138p)

男の本当の正体は、もっと奥深いものだったので、読者は女性の考えが浅はかであると直ぐにわかる。しかし、そもそも恋愛とはそういう勘違いで出来上がるのかもしれない。また、女はそう考えることで自分の欲望を正当化するのである。(17.12.07)





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最終更新日  2017年12月09日 10時21分36秒
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