|
テーマ:本日の1冊(3683)
カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「知られざる縄文ライフ」誉田亜紀子 スソアキコ画 誠文堂新光社 今日の縄文ブームに一役買っているはずの、著者の本。縄文の魅力を、豊富な知識と類推を駆使して紹介している。学者ではなく、純粋な縄文ファンだから書けたと思われる。専門性と分かりやすさの同居。弥生ファンである私などは、これを是非誰か「弥生ライフ」でやって欲しいと思う。スソさんのイラストが、絶妙にアシストしている。 巻末あたりの国宝縄文土偶五体を10ページにわたって紹介しているコーナーなんかは、正に縄文愛に満ちている。以下、そうは言っても「なるほど!」と思った所をマイメモ。 ・縄文の気候と環境。縄文前期の時代は、早期に間氷期があった他は、ほぼ寒かったし、海は現代よりもかなり沖合にあった。(←ならば、前期遺跡はほとんど海の底なのではないか?何故見つかるのか?) ・所謂「縄文海進」はBC40の辺り。現代よりも+2°Cもあって、海面も5-6メートルも高くなっている。でも2000年ほどで終わっている。 ・土偶によって、ヘアスタイルを想像している(34p)けど、あんな複雑な結い方をするものだろうか? ・糞石は、まだヒトかイヌか判断つかないようだ。 ・縄文犬と弥生犬の形状は違う。縄文は額から鼻にかけてのくぼみが少ない。弥生渡来人とともに犬もやってきたと捉えるべき。 ・縄文人の平均出産は、15-6歳初潮(栄養状態が良くなかったから)、18歳初産と考えると、平均4人ほどと考えられる。栄養状態が完全ではなかったので、授乳期は妊娠し難いから。 ・愛情いっぱいの子育てをしていた。子だき土偶(東京・宮田遺跡)や、各地の手形・足形土版を観ると、わかる。 ・平均寿命は、昔と違い40歳ぐらいという風に言われている。86体の人骨の65歳以上は32.5%という研究報告あり(岩手県蝦島貝塚、千葉県祇園原貝塚等)。 ・200キロのイノシシを捕らえたら、100キロの肉となるとして、5人家族の五軒の20食分の食糧になる。狩は週に3日ほどではないかと考えられている。 ・クリの栽培だけでなく、大豆やアズキの栽培もしていた。前期の野生種豆が、中期の豆になると、急激に大きくなっていた。 ・合掌土偶(青森県八戸市風張1遺跡)のウエストは意外にもくびれている。お尻の穴まで作っている。後ろから見ると、異様な顔は、仮面である可能性が高い。 2019年3月読了
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年03月26日 09時33分07秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書(ノンフィクション12~)] カテゴリの最新記事
|
|