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テーマ:本日の1冊(3684)
カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「図書」2019年8月号 さだまさしの連載もの(「さだの辞書」)では、長崎に伝わる幽霊話を紹介しています。「飴屋の幽霊」という話は、いかにもありそうなお話でおそろしいのではありますが、さだまさしの伯母が死に目に仲良しの親類の老母に報せに来たという話も書いていました。 それで、私が直に体験したことも思い出しました。昔のことなんですけど、まざまざと覚えているのは、それが私の中学の入学式当日の朝だったからです。 その少し前から、私の母は家を留守にすることが多かったのです。どうやら母の実母が危ないということで病院に通っているということだけは聞いていました。その日はそれでも私の入学式なので、母は無理して私の式に出る予定でした。朝食の時に、家の屋根の上で、カラスがかなり大きな声で三鳴き四鳴きしました。「なんか不吉じゃねぇ」と言っていた時に黒電話が鳴ったのです。母は急いで受話器を取りに行き、暫く話したあと、私に「式に行けなくなった。ごめんね」と言ったのです。泣き虫の母が涙も見せていないことに「悲しくないのかな」と思ったことを覚えています。「あれはおばあさんが報せにきたのかなあ」と家族の誰もが思いました。まぁ、何処にもあるような話です。 三浦佑之さんの「風土記博物誌」は、今回は各地に伝わる大男伝説の話。ちょっと近くの兵庫県の伝説は、現在現存する山がちゃんと比定されているので、機会があれば行ってみたい。 山室信一さんの「モダン語の地平から」は、なんと現代もある常用漢語は1921年から始まっているという話。漢字学習の効率化と新聞など活字を選ぶ職工の作業軽減などが求められたらしい。最初から1962字。かなり絞っていたことに驚いた。常用漢字表にない漢字は仮名で書くことにした。現在では2010年から2136字が用いられている。 それでも外語は入る。この時の外語は実は中国語だ。マージャンは1909年に初めて入ってきて、20年代に流行、「テンパる」「面子」などは今は意味は転用されて使われている。他には裏面工作の「工作」、「合作」、「下野」、「要人」等も。軍事用語として「改編」「改組」。とても面白い。外来語は特に近代はカタカナ語ばかりと思っていたけど実は違っていたのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年08月05日 06時37分53秒
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