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2021年05月09日
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「政治と報道 政治不信の根源」上西充子 扶桑社新書

2月に『呪いの言葉の解きかた』の書評を書いた。さまざまな呪いの言葉がある中で、政治にまつわる言葉は厄介である(今気が付いたが、やっかいには「厄」が付いている)。「政治の話はしたくない」「◯◯を政治利用しないで」「野党は反対ばかり」‥‥。

私はそれらの「空気」を変えたいとずっと思って来た。けれども、なかなか変わらない。何故か。「安倍政権」が世論操作してきたのか?「マスゴミ」が悪いのか?「国民」が未熟だからか?それとも私が「勘違い」しているのか?

今年3月に上梓した本書は、その根源を一生懸命に探っている。上西充子さんは2018年に「ご飯論法」という言葉を流行らせた。安倍政権の不誠実な国会答弁や記者対応を一言で言い表した言葉である。「朝ごはんを食べなかったのか」と問われて「ご飯は食べていない」と答えていながら、実は「パンを食べていた」等と、ことを巧みに隠す言い方を喩えたわけだ。問題を表面化せず、論点のすり替え、等々を使った最近特に目立つ与党の答弁である。(cf.加藤周一「白馬は馬にあらず」)記者は気がついていないのか?気がついてそれに乗っているのか?私はずっと不満だった。

本書は政治報道を丹念に追い求め、ひとつひとつを検証して、じゃどう書けば良かったのか?まで述べたものである。

本来政治報道は、問題の論点を読者に提示するのが仕事のはずだ。しかし、それを避けて「政局報道」に走る。「国会がこのように荒れた」「解散はあるのか」「時期首相は誰か」。その政局報道の陰で、1番問題にするべき時に論点を示さず問題法案が通っていっていく。最近の悪法は全てそれで通って行く。そして通った後に問題点を示す。

例えば、このように「切り込んだ批判」を上西充子さんは書いている。
⚫︎自民、学術会議問題で「逃げ切り」に自信「批判の電話も少ない」月内に集中審議(毎日新聞2020年11月10日)
・この記事に山崎雅弘氏が「政治記者なのに、なんでそんな風に「傍観」するんですか」と批判した。すると、該当記者が反論したという。「傍観していません。これはストレートニュースです。深掘り記事は他に書いている」と。

上西充子さんは、その主張を受け入れつつも、「ストレートニュースには新聞社の「視点」や「判断」は含まれないのか」と再批判している。そして、記者の該当記事を細かに分析して見せている。事実の切り取り方、表現次第で、読者の印象は大きく変わるのである。「政府が逃げ切りに自信があるなら、もうそのまま逃げ切るだろう」と思うのである。それは政府の印象操作に手を貸す事と同義だろう。

「逃げ切り」報道も、報じられているのは「政局」である。まるで対戦ゲームのように、いかに相手にダメージを与えるか、いかにポイントを稼ぐかに国会審議の狙いがあるかのように描かれている。そこに欠けているのは、何が論じられ、その論点はどうだったのか、だ。

このような「外側」からの報道の「ファクトチェック」はとても重要だと思う。残念ながら、こういう問題意識を持って報道を読んでいる市民は、上西充子さん含めて未だ少数だ。よって、報道はまだ変わらない。

おそらく、ツィッターを見ると、最近はいくらかやっているのは見えているけど、それでも大勢の市民の「ファクトチェック」を始めることが、報道や野党の姿勢を変えることになるのだろう。








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最終更新日  2021年05月09日 19時25分55秒
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