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2021年08月13日
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カテゴリ:邦画(12~)


今月の映画評「風の電話」

 夏は亡き人を思い出す季節です。人はどうやって「喪失感」と付き合っていくのだろうか。

 東日本大震災のため9歳の時に岩手県大槌町で両親と弟を亡くし、広島に移り住んでいた高校生のハル(モトーラ世理奈)が、叔母の入院をきっかけに東北に向けて旅します。

 旅の終わりに、ハルは「風の電話」の存在を知ります。線はどこにも繋がってないけど、亡くなった人と話ができる電話があるそうなのです。これは大槌町にある実在の電話で、これまで三万人もの人が訪れているそうです。全然不思議なことじゃないと私は思います。古来より、我が国には挽歌の伝統があります。鳥や風に託して亡くなった人に言葉を送ってきました。ハルは両親に向けて長い電話をしました。実際はモトーラ世利理奈のアドリブ、一発撮りの長回しだったそうです。

 女子高校生のヒッチハイクなんて荒唐無稽だとか、偶然が重なりすぎるとか、そういう批判はおそらく重々承知の話だったと思います。不思議な話の中に真実がある。厄災を背負って旅に出て、偶然の出会いの中で少女は大事なことに気がつきます。

 生きていりゃハラが減る。生きていなけれゃ思い出す人がいなくなる。生きているから、支え合う。そういうことを、少女は徐々に納得するのです。

 三浦友和、西島秀俊など、達者な役者が喪失を抱えたままの男として出てきました。特に、福島の年寄の怨念・情念をそのまま演ったかのような西田敏行の場面は圧巻でした。
(2020年諏訪敦彦監督作品、レンタル可能)






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最終更新日  2021年08月13日 16時07分05秒
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