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再出発日記

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2021年10月24日
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「嵐を呼ぶ少女と呼ばれて」菱山南帆子 はるか書房

菱山南帆子さんの半生記(と言ってもたった27年間)です。
1989年東京都八王子市に生まれる。中学1年の時から、イラク戦争反対などの市民運動を開始。現在、福祉施設職員として働きながら「許すな!憲法改悪市民連絡会」「戦争をさせない・9条こわすな!総がかり行動実行委員会」のメンバーとして活動。

彼女の半生を読むことで、21世紀から徐々に始まった日本の市民運動の内実を見た気がする。

高校生まで(←「から」ではない)の、正に嵐を呼ぶ「怒涛の市民運動人生」が先ず語られる。

・小学5年のとき、学級崩壊児童を叱る担任の差別発言を「批判して」、学級の女子半分で「100日間戦争」を起こす。
・ただ1人「君が代」を拒否する。
・小学六年生、夏休みの自由研究は東村山のハンセン病隔離施設「多摩全生園」だった。
・自由な校風の和光中学を親の反対を押し切って選ぶ。学園長は丸木正臣。
・03年冬、中学一年、13歳の時、日比谷野外音楽堂「イラク戦争反対」集会に参加して感動、3月、学園前で2回戦争反対の手作りのビラをまく。
・連日アメリカ大使館前に大人と共に座り込む。
・有事法制反対三万人集会で発言した。
・13枚目のビラで「子どもを政治から遠ざけないで!という訴えは、同時に『子どもは政治から遠ざからないで!』と言い換えてもいいと思います」と書いた。
・04年初めて沖縄へ。以降何度か通い詰める。東京の新千円札が沖縄では機械に通らない、等々の「発見」。←私が30代で気がついた事を彼女は14歳で気がついている!
・06年、高校生反戦行動ネットワーク結成。←この頃、高校生が元気だ、ということを聞いたような気がする。彼女だけでなく、高知などさまざまな息吹を聞いた。

高校の終わりから大学生の終わりにかけて、精神的に疲弊して閉じこもる(足踏み時代)。反対に言えば、そこで初めて「小市民」生活、地に足をつけた生活を経験した。でも彼女がそれで終わるはずがない。、

・2011年、大学3年の春、3.11が起きる。
・5.3憲法集会で復帰。「許すな!憲法改悪市民連絡会」(代表・高田健)に参加。
・秘密保護法の反対運動を経て、2014年9月に「1000人委員会」と「9条壊すな!実行委員会」が合同して集団的自衛権容認反対の「総がかり行動」に発展する。
・SNSの活用、ショートコール、街宣の宣伝、街宣での歌つくり、お花見街宣、ブックカバー宣伝「憲法集会へ行こうよ、パレード」、国会包囲行動に向けての自主CM、街宣お芝居、山手線一周街頭宣伝、さまざまな工夫を、凝らしている。←これらの知恵を是非どこかにまとめて共有してほしい。
・2015年、8.30 10万人集会、安保法強行採決という画期が現れる。←10万人集会はSEALDsが主催したと勘違いしている人がいるが「総がかり行動実行委員会」が主催したのである。主催者側の貴重な記録。

この頃の彼女の活動は、高校生の時の一人で突っ走るものと全く違っていて、「市民の運動を組織する」ことを体現していた。SEALDsのように、いっときの花として終わるものではなかった。それは高田健らの代表たちの指導もあったが、菱山さんたち若者が運動を引っ張っていた局面も確実にあったと思う。加藤周一が望んだ「老人と若者が手を結ぶ運動」がここで実現している。しかし未だ東京の一部の実現でしかない。

彼女は安保法の戦いの局面で「国会に突入しろよ!」という輩を止める立場に立った。2019年の米国選挙のトランプ陣営のホワイトハウス突入に見るように、それは何も生まれないのは明らかなのであるが、こういう声は必ず起こる。「急がば回れ」彼女たちはまだ26歳だったのだけど、大人でよかった。怪我人を出さない戦い。それを実現したのは、彼女たちの大人の戦いに依るところが大きい。

「これは政治風土との闘いだ」
風土は一年や二年で変わるものではない。けれども、人為的なものであるから、急速に変わることもあり得る。
政治風土の特徴とは、政治に対するタブー視、個人としての主体的な意見を持とうとしないこと。そして怒り下手、表現下手。
「私たちの街頭宣伝活動はこのような政治風土とがっぷり四つに組み合う格闘技です」←鋭い指摘だと思う。

本書は4年以上前の本だ。この時から既にスローガンになっているが、彼女たちの活動は「野党共闘」を実現させた。これからも、ニ歩前身一歩後退は起きるかもしれないが、着実に彼女たちの運動は前進しているという印象を受けた。





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最終更新日  2021年10月24日 17時44分18秒
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