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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.04.04
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​小山鉄郎 「これが日本語」 (論創社)​​​​​​​ 
​​​​​​​ 高校一年生の国語の授業のなかで、古典の文章中に「御髪」と出てきて、どう読むのかという、読み仮名の問題がありますね。テストに出して「みぐし」とか「おぐし」とかを正解にするわけですが、出題する当人が、本当はよくわかっていないということがあるものです。​​
​​​ ​​​今やだれも使わなくなった大野晋「岩波古語辞典」(1974年版)には「みぐし」も「おぐし」も出ていますが、手元にある、2008年重版の「全訳古語辞典」(旺文社)には「おぐし」の項目はありません。最近、生徒さんたちがよく使っているデジタル版はこっちですね。​​​​​​
 解説は「髪の尊敬語」という内容で、両者に違いはありませんが、岩波版は《「御櫛」の意》という転用の語源を指示しているところはさすがです。最近の辞書には、もちろん、そんな記載はありません。
 教員は、出題するときに、まあ、一応辞書を引いて確認します。
 「御髪のいと長うこちたきを引きゆひて」とかいう例文では、髪の毛のことで、「東大寺の大仏の御髪落ち」とかだと、頭そのものだけど、読みは「みぐし」だ、というふうに。
 じゃあ、ワープロだって「おぐし」でしか出てこない、そっちはどうなんだと気づく先生はまじめな方で、ふつうの方は教科書傍用の指導書とかでお茶を濁して終わりです。
 さて、採点してテストを返していると、こんな声が聞こえてきます。
「なんで、『みぐし』でも『おぐし』でもいいのに『おかみ』はだめなの?」
「ワープロは『おぐし』なのに、辞書は『みぐし』って、どうして?ほんとは、どっちが正解なの?」
 結構、突っ込み感にあふれています。もちろん、教員はここでたじろぐわけにいきません。
 「そう読んだから!そうは読まないの!」
 高校生という人たちは断定しても、たいてい、いや、かえってかな?納得してくれないようですね。
「江戸時代くらいから、ことばが大衆化して、『おぐし』が、まあ、口語化して今に至っているから、国語辞典に出てくるの。つまり、『おぐし』は平安時代ごろの古語じゃないということ。」
 ほとんど言い逃れのように解説することになりますね。ここで済めば、一安心。
「エー、授業を始めますが、予習は大丈夫ですか?」
 一気に攻勢に回って、逃げを打とうとすると、敵もさるものです。
「そもそも、なんで『御髪』と書いて『みぐし』とか読むわけ?『おかみ』やったら、なんであかんねん?」
 こんなふうに、ツッコミが鋭くなってしまったりします。こうなると、本日の予定は丸つぶれということになるのですが、ほっておくわけにもいきません。
 これが定期テスト直前で、教員も出題範囲到達にあせっている場合はこうなります。
「ちょっと急いでいるので、自分で調べてみなさい。」
 伝家の宝刀「自分で調べろ」ですね。ただ、そういう場合には親切ごかして、こんな一言を付け加えます。
「あのね、小山鉄郎という人の『これが日本語』っていう本があるんだけどね、論創社っていう本屋さんね、図書館にあるかもね、あれ、一度読んでごらん。」
 というわけで、ようやく、今回の案内本の登場というわけです。​  長い前フリに付き合っていただいた皆様には、ここでは教員の現場での解答例(その一)を紹介しますね。これが、まあ、オーソドックスだと思います。​
​​​​解答例(その一)
「あのね、『み』っていうのは漢字『御』を見てもわかると思うけど敬語ね。ただし、漢文で出てくるこの字は『御者』、馬車の運転手とか、馬に乗っている人のこと。

 『くし』は髪の毛を梳かす櫛。使うでしょ。あれ、君らも。直接『髪』といえばいいのに、使用する道具とか、表現したい本体に近接するもので本体を表現するのは比喩の一種。
 換喩っていうの、知ってるかな。カタカナだとメトニミーっていうの。赤頭巾ちゃんと白雪姫って、両方、比喩の一種だけど、違うでしょ。わかるかな?赤頭巾ちゃんは『~のような』で説明できないでしょ。こういうのを換喩っていうの。
 ​だからあ、おそらく、もともと『櫛』の字で書いていたけど、実態が髪の毛だから『髪』の字で書くようになったんじゃないでしょうかね。以上ですが、わかった?」​ ​​​
​​​ もう少し突っ込んだ話になると、少々面倒ですが、ちょっと歴史が絡みます。解答例(その二)のパターンだとこうです。​​
​​​解答例(その二)​
『みぐし』って言うけど、『みち・道』とか『みや・宮』とか、漢字一字で書かれるから別物みたいだけど、おんなじ『み』の使いかただと言ったら驚くかな?

 『みち』とか『みや』というのは、和語としての原型は『み』プラス『ち』とか、プラス『や』の形で出来ていて『みぐし』『み』とおなじもの。ほかに『都』とか『岬』『峰』とかあるわけ。
 その『み』というのは霊的な言葉につく接頭語らしくて、たとえば『みち』『ち』に霊威がこもってるという話から始まるの。
 『チ』というのは、漢字でいえば、『巷・コウ』とか『衢・ク』の意味で、四つ辻、交差する、人が行きかうところね。そういう所には『霊力』があると考えて、『み・ち』になったらしいの。
​ 『宮』は高貴な人が住んでいる、神さんとかがね、その『屋根』の下、つまり、建物ね。だから神社は『お宮さん』ね。ついでに言えば、そういう屋敷、宮殿ね、がある土地が『みやこ』。わかりましたか?まあ、テストに出るわけじゃないけど。​​​
​​​ ちなみに、解答例(その三)になると、喋ってるノリの結果であって、脈絡も際限もなくなりますが、モノのついでなので書いてしまいましょう。​​
​​​​解答例(その三)
 さっきの字ですけどね、『八衢』と書くと「やちまた」と読むんですがね、『街』という字と同じ。たぶん『八街』という町が、どこかにありますね。

 でも、ここでは少し違う話でね。江戸の国学者で、本居宣長って知ってますよね。古典で出てくるでしょ。『玉のおぐし』とか。
 彼には男の子がいたんです『春庭』っていう。天才的な人だったんだけど、三十を過ぎたころに、ひどい眼病を患って失明するんです。それでも『詞八衢』(ことばのやちまた)という古語の動詞についての書物を残したわけ。みんな下二段とか言ってるあれね、あれをまとめた人。
 それでね、足立巻一という、皆さんはご存じないかもしれないけどね、そこの神戸女子大で先生してたりした人なんですが、『やちまた』っていう春庭の伝記を書いたわけ。
 この小説も作家もすごいんです。ぼくがそう思うだけかもしれませんが。朝日文庫上・下巻であります。でも、まあ、高校生には無理だから、将来、文学部とか行って、国語学とか興味を持ったら探してください。まあ、そんなことも思い出すわけですね。「やちまた」とか、ぺらぺらしゃべっていますけど、わかりましたか?

 ああ、これは、テストとは、全く関係ありません。じゃあ、今日はこれで終わります。えっ、行かなかったテスト範囲はって?もちろん自分でやりなさい。​​​
​​​​ ​もちろん、小山さんの本は、(その二)までの参考書。実は、小学生くらいの子供向けの装丁の、ことばの本なのですが、子供に読ませるには、ちょっと難しいかもしれない。高校生で、やっとかな、ぼくはそう思います。​​
 大人が、トイレで読むのに最適。ちょっと分厚いので、バスに乗るときとかに持っているのは邪魔かもしれないですね。​​(S)

追記2022・05・04
 今年であった学生さんに「こんな本あるよ」という紹介をしたくて、古い記事を修繕しました。白川静さんの入門書のつもりでもあるのですが、気づいてくれる人は、はたして、いるのでしょうか。
 数年前に紹介したときは「職場の図書館で購入してもらいました!」とかの反応が、国語以外の教員の方からもあったりして、うれしかったのですが、まあ、読んでも読まなくてもいい本ですから、むずかしいですね(笑)。
​追記2022・10・14
 模擬授業とか、面接とか、あれこれおしゃべりしながらお手伝いしていた、教員採用試験にチャレンジしていた学生さんの朗報が届いて、もう一度、高校生や、大学生に本を薦める「読書案内」の原点に帰ろうかなと思いました。学校の教員の目線で本を読むという気持ちから遠ざかって数年経ちましたが、ここのところ、案内したいという意欲も失いつつある自分に焦っていました。もう一度、気を取り直して「さあ、もういっぺん!」始めようと思います。皆様よろしくお願いいたします。

 追記
 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​

 
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最終更新日  2024.03.14 23:46:02
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