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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2019.04.11
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​​​​​​​​丸谷才一「日本文学史早わかり」 (講談社文芸文庫)
 ​​​女子大生の皆さんと出会っていると、自分自身の無知もさることながら皆さんがモノを知らないことに唖然としてしまう場面に遭遇します。知らなくてもいいことかもしれませんが、知っていたほうがいいことのひとつに「文学史」があります。
 どの作品を誰が何時書いたか、そんなふうに要約されがちなジャンルなのですが、本来は、少し違うと思います。万葉集以来、ハハハ、大きく出ましたね、どれほどの書物が、この国において、文学の範疇として残されてきたのかは、よく知りませんが、それが何故、その時代の、その人物によって書かれたのか、そう考える所に文学史の意味があるのではないでしょうか。そこが文学史の「史」たる所以というものだと思います。
​​ 文学史とは文学を文化現象として捉える為の歴史記述ではないでしょうか。そう考えると、もう亡くなって久しい、丸谷才一という一人の小説家の名前がすぐに思い浮かびます。「日本文学史早わかり」(講談社文芸文庫)、「忠臣蔵とは何か」(講談社文芸文庫)、「恋と女の日本文学」(講談社文庫)の三部作はぼくたちのような素人向けに書かれた丸谷流日本文学史の珠玉と言っていい作品群だと思います。​​​​
​ たとえば、「忠臣蔵とは何か」では歌舞伎の演目としての「忠臣蔵」において討ち入りのシーンは何故あのような火事場装束という衣装の役者によって演じられたのか、ということを考察のきっかけとして話を始めています。
 御霊信仰の文学的意味に始まり、その語りは、文化人類学から演劇史に至るまで、懇切丁寧、且つ、薀蓄山盛りで、文学史に興味を持っている、いないにかかわらず、読み出したら止まらないに違いないと思います。

                       「恋と女の日本文学」では中国の古典文学には恋の話が極端に少ないのに対して、万葉和歌から源氏物語に代表されるわが国の古典は「恋」だらけ、いったいこの違いはどうしてだろうというのが基本テーマです。​
 ​丸谷才一​が言うには、この違いに関心を持った、おそらく最初の人物が本居宣長だそうです。「石上私淑言(いそのかみのささめごと)」(宝暦十三年・1763年)という「もののあわれ」について論じた書物の中で以下のように論じているそうです。​丸谷才一​自身の現代語訳を引用します。彼は旧仮名遣いの人なのであしからず。​​​

​ 人間が好色なのは、昔も今も、日本も中国も、みな同じだが、中国歴代の史書を読むと、あの国は日本よりも淫猥なことが少し多いやうである。ところがあの国は、何につけても倫理善悪のことだけうるさく言ひつのるのが癖になってゐて、好色のことなども例の賢ぶる学者たちが非難してあばき立て、憎々しい口調で厭らしさうに書き記す。さういうふわけだから、詩にしても、自然さういふ国の風俗に従い、堂々たる男子の雄々しい心構へについて言ふのが大好きで、それだけをあつかふ。めめしくて見つともない恋情の情など、恥ぢて口にしない。しかしこれはみな、表面を取りつくろい、偽る態度で、人情の真実ではないのに、それを読む日本人は深く洞察せず、中国の詩文にあるのを事実と思ひ込み、中国人は色情に迷ふことが少ないなんて判断する。馬鹿げたことである。
 わが国の人は何につけても寛大で利口ぶらないため、道徳をうるさく言ひ立てることもしない。人生の姿をありのままに表現した本のなかでも、歌にまつはる物語などはとりわけ「もののあわれ」を大事にしてゐるので、色好みな人びとの感情を率直勝つ流麗に書き記す。(以下略)​
​ ​本居宣長​がこうした主張にいたった事情について、​丸谷​は二つのポイントを指摘しています。​
 ひとつは西洋近代の恋愛小説を知らなかったにもかかわらず、こう主張した​宣長​の恋愛体験について。
 もうひとつは​宣長​が日本の古典のみならず、漢文の書物についても非常に博学多識、勉強家であった点。
​​ もちろん、日本文学に関する考察としては、ここが始まりであって、​宣長​の影響下に明治の小説群もあったというのが丸谷才一という作家の主張です。​​
 ついでの話ですが、​宣長​が平安朝の美意識を評して使い、今では常識として定着している​「もののあわれ」​という用語の出典は​藤原俊成​の歌だそうです。 
 恋せずは 人は心も なからまし もののあわれ もこれよりぞ知る  
                               藤原俊成​
​​ この本の後半では、​丸谷​​「女の救われ」​というテーマで、今度は​平家物語​の悲劇のヒロイン​建礼門院徳子​めぐる考察を繰り広げています。これまた面白いのなんの、ハハハ。
 要するに皇后さんの男性遍歴についての考察なんですね。面白がり方が少しおっさんかもしれませんね。反省!
 ともあれこの本は講演を元にしていて、読むのに手間がかかりません。教養の間口を広げる読書としては超オススメですよ。今では、全集で読むしかないのかもしれませんが。図書館になら、まだあるでしょう。是非どうぞ!(S)​​​​​

​​​

追記2022・05・28
​​​ ときどきお出会いしている女子大生の皆さんには​「伊勢物語」​とか​「方丈記」​とか、まあ、なんでもいいのですが、古典を手にとって読み始めてみることをおすすめしたいのですが、たとえば​「伊勢物語」​が、​一読三嘆!​の作品かというと、そりゃあ、中にはピタリとジャストミートする方もいらっしゃるかとは思いますが、誰もがそうかというと、そういうわけにもいきません。で、あれこれ読んで​​「ナルホドそうか!」​​とかを繰り返しながら、もう一度、元の作品を読み直してみて​「一嘆!」​にたどり着ければ儲けものというのがシマクマ君の経験でした。
 あれこれ読むのが、読書ということだと思うのですが、たとえば丸谷才一なんて、とりあえずのあれこれに最適だと思うのですが、いかがでしょうね(笑)​
追記2023・04・21​​

突如、昔の記事が出てきて焦りました。今はこっちのブログです。



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最終更新日  2023.12.26 23:25:34
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