本木克英 「 空飛ぶタイヤ」 パルシネマ
天気が良かったり、悪かったり、三寒四温とかいう時期は過ぎたんじゃないかって思っているのに、今日は肌寒い。
いつもは兵庫駅から歩く新開地ですが、今日はなんとなく学園都市から地下鉄に乗ってしまいました。パルシネマで久しぶりの邦画ですね。火曜日はやっぱり混んでいました。前から三列目に座って、ポットのコーヒーで一息入れると映画が始まりました。
ジャニーズなんて(失礼!)興味がないのですが、「TOKIO」とかいうグループだけには、歌は知らないけど、好感を持っていて、男前の(失礼!みんなそうか?)長瀬智也君も、なかなか気に入っているんです。それに、サザンオールスターズの曲が映画で流れるはずという興味もありました。サザンがとりわけ好きというわけじゃないのですが。でも、なんというか、あの、いい加減なムードの曲が、長瀬君のしかめっ面をどのくらい、ユルキャラ化するのか?そういう興味ですね。なんやかんや言ってますが、結構ワクワクしてやってきたというわけです。
残念なことに、どこまでいっても長瀬君はしかめっ面のままで、サザンは、最後の最後、エンドロールまで聞こえてきませんでした。
「えーっ?それはないやろ!」
ぼくは、最近、いや、かなり以前からテレビドラマを全く見ません。朝ドラも、大河も、ゴールデンタイムも。理由は簡単で、やたらアップで顔を撮る厚かましいというか、芸のないカメラワークと、大概にしてほしいくらいの通俗物語化。付き合いきれないというか、たいてい落胆するだろうと思っているからなのですが、でも、こうやって、映画館で邦画をみて、やっぱり落胆するのは、ちょっと辛いものがありますね。
長瀬君はスターになれる人だと思うのですけれど、
「これでは、ちょっと?」
そんな印象でした。
「せっかく、イイ役者のムード持ってるのになあ。ダイナシヤン⁉」
でも、いいこともありましたよ。深田恭子さんという女優さんに出会えて、もちろんスクリーンでですよ、それがよかったことですね。まあ、役柄上、いいワイフだっただけかもしれないですが、彼女の作りだしている雰囲気はよかったですね。
まあ、トータル、「ヤレヤレ・・・」って感じですかね。
監督 本木克英
原作 池井戸潤
脚本 林民夫
撮影 藤澤順一
音楽 安川午朗
主題歌 サザンオールスターズ
キャスト
長瀬智也(赤松徳郎 ) ディーン・フジオカ(沢田悠太)
高橋一生(井崎一亮) 深田恭子(赤松史絵)
岸部一徳(狩野威) 笹野高史(宮代直吉)
寺脇康文(高幡真治) 小池栄子(榎本優子)
阿部顕嵐(門田駿一) ムロツヨシ(小牧重道)
中村蒼(杉本元) 柄本明(野村征治)
佐々木蔵之介(相沢寛久) 六角精児(谷山耕次)
2018年 日本・松竹 120分
2019・03・20・パルシネマno2
追記
昨年の五月ころから映画館を徘徊し始めました。振り返ってみると邦画は片手で数えられるほどしか見ていません。実は、ブログの記事にはしていないのですが、徘徊スタートで見た映画が「モリのいる場所」という作品で、これにキレてしまったのです。沖田修一という監督は結構人気のある人らしいのですが、ボクには信じられない演出でした。熊谷守一という希代の変人画家のミクロコスモスを描いていたと思うのですが、山崎努も樹木希林もいい味でした。しかし、宇宙人を登場させた結末部分でぶち壊しだと感じました。意図は推測できないことはないのですが、機嫌よく盛り上がりの何もない映画の良さに浸っていた老人が、思わず「アホか!」と叫びそうでしたね。
「空飛ぶタイヤ」でもそんな印象を持ったのですが、若い監督さんたちの世界を図る物差しが、期待より、すこし短いのではないか。そんな印象ですね。この映画だって、池井戸潤の原作の小説を読んで、ドキドキしている方が映画館に座るよりずっと面白いんじゃないでしょうかね。映画と小説は違うものだと思いますが、なんか勝負になっていない感じですね。