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カテゴリ:読書案内「現代の作家」
「100days100bookcovers no23」(23日目)
町田康『猫にかまけて』(講談社) YAMAMOTOさんから『注文の多い料理店』でバトンを受け取ったとき、次のテーマはすぐに決まりました。「猫」です。だって、注文の多い料理店の店名は「山猫軒」ですから。 猫に関する本はうちにたくさんありますが、その大部分は、ちょうど10年前、夫が愛猫の「なな」を連れて単身赴任したときにかなり重いペット・ロスになってしまい、その空虚を埋めるために、猫が出てくる本を次々に買って読んだからです。 どの本も思い出深いものですが、その中から、今回はこれを選びました。 『猫にかまけて』町田康(講談社) 私は決して町田康のよい読者ではありません。彼の初期作品のパンクな文体にほぼついて行けず、早々に彼の読者になることを諦めてしまいました。けれども、上記のような理由で次々に手に取った猫の本の中に、彼の書いた『猫にかまけて』が紛れ込んだのは、本にかかった帯からこちらを見つめる猫(町田の愛猫ヘッケ)の寂しそうな顔が印象に残ったから、そして、手にとって内容を拾い読むと、全然パンクじゃなくて、すらすらと読めたからです。 「愛さずにはいられない猫好き作家」 になっていました。ただの猫飼いだった彼が、ヘッケの死をきっかけにいつのまにか猫の保護活動に巻き込まれ、続編ではついに、猫舎を建てるための広い土地を求めて、多くの猫と共に移住までしてしまいます。猫のために、自分が生活を変えるのです。究極の「猫バカ」です。 「どうでもいいようなことで悲しんだり怒ったりしているとき、彼女らはいつも洗練されたやりかたで、人生にはもっと重要なことがあることを教えてくれた」 と書いています。 ボタン押してね! ボタン押してね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.02.02 11:45:57
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