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カテゴリ:週刊マンガ便 「松本大洋」・「山川直人」
松本大洋「Sunny 3」(小学館) 松本大洋の「Sunny 3」(小学館)です。表紙の女の子は「きー子ちゃん」と言います。小学校の高学年のようです。1巻、2巻で紹介した「春男」くんとか「めぐむ」ちゃんとかと同い年くらいです。この第3巻まできー子ちゃんが主役の話は、まだ、ありませんが、いい味出している少女です。
で、今回も目次を載せます。 第13話 ここまで、子供たちの話が続いていましたが、第13話「雪ふったら、せかいが雲の上みたいや」では、園長さんの話が描かれていて、第14話「オレ、まきおさんみたいな大人になりたいわ」「オレかって、なりたいわ」では、フォルクスワーゲン、あの頃よく見かけた通称カブトムシ型自動車ですね、それに乗って星の子学園にやってきて子供たちに心から好かれている牧男さんの話です。牧男さんというのは、園長先生のお孫さんで、なんと、あの京都大学の学生ですが、今は休学中でネコのチビと暮らしていて、山にばっかり行っている青年です。 で、今回、下に引用したのは第13話の園長先生と久しぶりに訪ねてきた西田さんという方との別れの挨拶のシーンです。 西田さんは昔、星の子学園の園児だった方で通称タニシ君です。牧男さんが小学生だった頃の人です。子供たちが、牧男さんから、タニシ君がどんな子供だったか、、今でも園長先生の左手の薬指の指先がないこととどんな関係があるのか、話してもらうシーンがこのシーの前にあります。 ボクは牧男君が子供たちに聞かせている話のシーン(引用はしていません、興味をお持ちの方はどうぞ、作品をお読みくださいね)を読んで、まあ、年のせいもあってでしょうが涙を流しましたが、この餞別を渡すシーンのやり取りを読んで、もう一度泣きました。 「すんません。」 何度も何度も、西田さんが帰った後も同じ言葉を繰り返す、老いた園長さんの繰り言のようなセリフに対して、例えば、子供の一人が口にする「ハハ何回言いうねん」と書き加えるところに、作者の松本大洋の凄さが輝いていると感じました。彼は本物のニンゲンとニンゲンの出会いが描きたいのだと思いますね。第4巻では誰のことが語られるのでしょうね。楽しみです(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.03 17:05:17
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