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カテゴリ:映画「元町映画館」でお昼寝
ジョナサン・デミ「メルビンとハワード」元町映画館 ジョナサン・デミという監督の「メルビンとハワード」という作品を見ました。ジョン・カサヴェテスとセットの特集です。
スクリーンが暗くなると、いきなりオートバイで、砂漠ですかねえ、スクリーン全体も暗くてよくわからないんですが、道ではない薄暗い荒野を突っ走って、土手かなんかでジャンプして、二度目にはひっくり返るというシーンが映し出されました。
なに?これ? 最後まで、このシーンの意味はわかりませんでしたが、オートバイで疾走していたのがハワード・ヒューズ(ジェイソン・ロバーツ)という、実在の大金持ちだったようです。 で、続いて画面に登場するのが牛乳配達のお兄さん、メルビン(ポール・ル・マット)くんで、彼が仕事帰りの軽トラックで、わき道に入って立ちションします。ことをすませて、車に帰ろうとして、道ばたにひっくり返っている瀕死の老人を見つけて、慌てて介抱して、車に乗せて、あれこれやり取りしながら家まで送るのですが、このシーンがいいですね。 なんだか、見るからに怪しげな老人の相手をしながら、突如、自作のフォークソングを歌いだす、まあ、こっちもかなり怪しげですが、明るい。そのお人好しでトンチキなメルビン君と、助けてくれたものの、その若者の、まあ、親切なんだか厚かましいんだかわからない、トンチキさに辟易しながらも、最後は一緒に歌ったり、運転させてくれと頼む、まあ、謎としかいいようのない、自称ハワード・ヒューズ老人との出会いと別れです。 で、この謎の老人は、映画には二度と現れません。あとは、金が入ったらはしゃぎたい、まあ、いわゆる単細胞で、おバカなメルビンくんの、妻には逃げられるわ、仕事は首になるわの波乱の日常生活映画でした。 とんちき夫のメルビンを捨てて、ストリッパーで稼ぐ妻リンダ(メアリー・スティーンバージェン)も、まあ、「チョットあんたねえ???」というタイプですが、ストリップ小屋までやって来て連れて帰ろうとするメルビンにほだされていったんは帰るのですが、やっぱりおバカな、なんというか、「愛」とか「やる気」とかはあるけれど「生活」がわかっていないメルビンに呆れて、再び出て行ってしまいます。 今はどうだか知りませんが、半世紀前の、映画とかでよく見かけた 夢見る貧しいアメリカ! まあ、そういう感じです。80年代の空気です。 で、ダメ男のメルビンですが、妻のリンダに連れられて、一緒に出て行った娘が 「ホントはパパと一緒がいい!」 といってくれるのが、ある意味、たった一つの救いのような人物です。 「はい、いいやつなんです。ホント!」 とどのつまりは、最初に救った謎の老人が、まあ、ボクでも名前は知っている本物のハワード・ヒューズという大金持ちだったという展開で、彼の遺産相続人として、このおバカなメルビンが指名されていて、大騒ぎになるっていうオチなんです。裁判所とかに引っ張り出されて大変なんですが、実話ネタなのだそうです。 ええ、もちろん、遺産はもらえないんですよね(笑)。 考えてみれば、異様なまでに、もの哀しい話なのですが、なぜか後味はよかったですね。で、やっぱり、ボクはメルビンと娘に拍手!でした(笑)。 監督 ジョナサン・デミ 脚本 ボー・ゴールドマン 製作 アート・リンソン ドン・フィリップス キャスト ジェイソン・ロバーズ(ハワード・ヒューズ:富豪) ポール・ル・マット(メルビン・デュマー:牛乳配達) メアリー・スティーンバージェン(リンダ:メルビンの妻) 1980年・95分・アメリカ 原題「Melvin and Howard」 2023・09・12・no113・元町映画館no203 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.15 23:20:36
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