大岡玲「一冊に名著一〇〇冊がギュッと詰まった凄い本」(日刊ゲンダイ) 今回の読書案内は、著者が大岡玲、お名前はアキラとお読みするそうですが、詩人の大岡信の息子さんで、所謂、二世作家のお一人。30年前の芥川賞作家で、芥川賞をおとりになった時に読んだ記憶が幽かにありますが、お名前をオオオカレイと読んでいたところを見ると、少々怪しいですね。
市民図書館の新入荷の棚で見つけて、書名の迫力(笑)!
に押されて借りてきました。「一冊に名著一〇〇冊がギュッと詰まった凄い本」(日刊ゲンダイ)です。 スゴイ!
でしょ(笑)
2019年四月から2022年八月まで、「日刊ゲンダイ」という夕刊紙上に連載されていた「熟読乱読世相切り」というコラムを、寺田俊治という編集者とのコラボで再編集した本で、時事批評と書評のコラボでもあるわけで、連載時期をご覧になればすぐに浮かぶと思いますが、コロナ騒ぎの世相に対して60代の作家であり、書評家であり、大学教授でもある人が「何を、どんなふうにお読みになって、どんな感想をお持ちになったのか?」
が、まあ、ボクの興味だったのですが、この方、信用できそうですね(笑)というのが結論でした(笑)。★100書評、読んでから読む、100名著。
ネット上で見つけたコピーです。すでに読んでいて、と、まだ読んでいないので、のダブルミーニングですが、100冊全部を載せるのは面倒なので、書評を読んでいて「すでに読んだ=●」、「オッとこれは知らんな=★」で、興味を感じた作品を抽出してみました。
まあ、「読書案内」というこのブログは、案内本へのお誘いが、一応、コンセプトなのですね。というわけで、まあ、この本、一度手に取ってご覧になればいかがでしょうというのがねらいなのですから、もう少し要領よくということなのですが、ボクは、所謂、書評集というの好きで、読んだ、読んでないと自己満足というか、今後の計画というかに浸るタイプなのですが、最近の新訳ブームの本に目配りというか、宣伝というかが、最近覗かない今の書店の棚に対応しているところも、この書評集のいい所ですね。
Part1 知恵と知識の博覧会! 専門家の著した傑作 29編
第1章 時には専門家の書いた傑作で「知ったかぶり」も悪くない
●池内紀「となりのカフカ」(光文社新書)●白川静「漢字百話」(中公新書)★義江明子「つくられた卑弥呼」(ちくま学芸文庫)★メアリー・ローチ「死体はみんな生きている」(NHK)★原武史「平成の終焉」(岩波新書)
第2章 歴史とは探検・探索するもの。最後に闇が残るのも、悪くない
●司馬遼太郎「幕末」(文春文庫)★新井勝弘「五日市憲法」(岩波新書)★酒井シズ「病気が語る日本史」(講談社学術文庫)
第3章 言葉の重みに真正面から取り組む
●谷川俊太郎「定義」(思潮社)●丸谷才一「ゴシップ的日本語」(文春文庫)
第4章 科学は実に愉快である
★「ウンコどこから来て、どこに行くのか」(ちくま新書)★大久保奈弥「サンゴは語る」(岩波ジュニア)★中田兼介「クモのイト」(ミシマ社)
Part2 やっぱり凄い古典的名作 26編
第5章 名作を再読する悦楽。そこには必ず発見がある
●カミュ「異邦人」(新潮文庫)●開高健「ロビンソンの末裔」(新潮文庫)★マーガレット・ミッチェル「新訳 風と共に去りぬ」(岩波文庫)●サガン「悲しみよこんにちは」★田辺聖子「人間嫌い」(新潮文庫)●芥川龍之介「羅生門・鼻 他」(岩波文庫)●パール・バック「大地」(新潮文庫)●ディケンズ「クリスマス・キャロル」(光文社古典新訳文庫)●さいとうたかお「ゴルゴ13」
第6章 混迷の時代の今だからこそ、あらためて読みたい古典
●ヴェーバー「職業としての政治」(岩波文庫)★大岡玲訳『今昔物語集』(光文社古典新訳文庫)●マルクス「共産党宣言」(光文社古典新訳文庫)
第7章 古代中国のロマンに思いを馳せる●司馬遼太郎「項羽と劉邦」(新潮文庫)★吉川幸次郎「完訳水滸伝」(岩波文庫)
Part3 この世界のリアルを描く 21編
第8章 この時代に生きる人々を観察し、記録し、考える
●ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)★石井光太「本当の貧困の話をしよう」(文藝春秋)
第9章 複雑にして怪奇な世界を読み解く
★トッド「世界の多様性」(藤原書店)★筒井清輝「人権と国家」(岩波新書)★末近浩太「イスラーム主義」(岩波新書)
第10章 政治を政治家だけにまかせてはいけない
★長谷川櫂「文学部で読む日本憲法」(ちくまプリマ―新書)
第11章 ユニークな戦争モノを掘り起こす
●ヘラー「キャッチ=22」(ハヤカワ文庫)★安田浩・金井真紀「戦争とバスタオル」(亜紀書房)●こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社)
Part4 人生の愉しみを語る 11編
第12章 人はなぜ旅に魅かれるのか
●内田百閒「第一阿房列車」(新潮文庫)★黒川創「旅する少年」(春陽堂)●中島敦「山月記・李陵」
第13章 呑んで、食べて、愛して
★辻静雄「舌の世界史」(復刊ドットコム)
第14章 芸能界の面白さは、洋の東西を問わず
●小林信彦「日本の喜劇人」(新潮社)★サミー・デイヴィス・ジュニア「ハリウッドをカバンにつめて」(ハヤカワ文庫)
Part5 作家の魂に触れる 13編
第15章 本の中の登場人物に惚れる
●ハメット「血の収穫」(創元推理)
第16章 この著者の意気地が好きだ
●阿佐田哲也「麻雀放浪記」(文春文庫)●杉浦日向子「ベスト・エッセイ」(ちくま文庫)
第17章 懐古から予見まで。数奇な作品に光を当てる
●田宮寅彦「足摺岬」(講談社文芸文庫)★シェリー「フランケンシュタイン」(光文社古典新訳文庫)
とまあ、こういう感じでした。いかがでしょうかね?
追記
ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)