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カテゴリ:邦画(08)
ふるい話であるが、今年9月19日、岡山の貴重な単館系映画館のシネマクレール石関が閉館になった。後残ったのは、シネマクレール丸の内の2スクリーンのみで、この映画館をなんとしてでも護りきらねばおそらく見るべき映画の数は三分の二くらい減るだろうと思える。
閑話休題、その閉館一日前に地元映画サークルが自主上映会をした。岡山をロケ地にした映画を最期にここで流して閉館を悼もうという企画である。 「バージン・ブルース」(1974) 万引き常習犯の女子大生と、事業に失敗した中年男の逃避行を描いた異色のロードムービー。 監督: 藤田敏八 出演: 秋吉久美子 / 高岡健二 / 長門裕之 / 野坂昭如 / 赤座美代子 藤田監督はなんとこの年に「赤ちょうちん」「妹」と並んで青春三部作を一挙に公開する。その最後を飾る作品。結局つかみどころのない秋吉久美子を描きたかったそれだけの映画のようだ。ほかの言い方をすれば、「コケティッシュ」な秋吉の魅力が爆発した作品。長門裕之がまるで桑田圭介みたいな顔をして頑張っていた。 凡作だとは言った。ところが、岡山県人にとっては、「おおっ」「おおー」の連続になる。後半全くの岡山オールロケ。桃太郎の銅像が登場する前の岡山駅前、後楽園茶屋の風景、そしてなんと建替える前の倉敷駅前、阿智神社に鷲羽山。児島競艇所、そして私はこの時期までこんなのがあるのとは知らなかったのであるが、今は跡形もない児島の流下式塩田の風景。 30年前の懐かしい風景やら、かすかに覚えている風景がてんこ盛り。特に駅前の風景などは、この30年間にどこの地方もたぶん変わっていると思う。「駅前再開発」がこの戦後60年の歴史でもあるからだ。カラーで人が動いている。白黒写真で見るのとは違う、なんとも懐かしい風景でこれだけでも見てよかったと思った。 ところで、この記事で1000個目の記事になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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