6858517 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

源氏物語の紫式部日… New! Photo USMさん

『宮本常一 伝書鳩… New! Mドングリさん

陰陽師0(ゼロ)★安… New! 天地 はるなさん

週刊 マンガ便 石… New! シマクマ君さん

韓国旅行2024春旅3… New! suzu1318さん

カレンダー

2009年09月19日
XML
カテゴリ:山大新聞会
大学の授業の内容など、今では覚えているはずもないが、いくつかは鮮明に覚えている言葉があるものだ。

本多勝一の「事実とは何か」の関連で興味深い話を聞いた。けれども誰が話したのかは覚えていない。先生すみません。

教養学部、日本史の授業だったと思う。
「私は漫画はあまり読まないが、白土三平の「カムイ伝」だけは面白いと思う。この漫画は江戸時代初期の身分の構造が非常によく描かれている。物事というのは上から見るよりも下から見たほうが、その全体像が良く分かるものだ。武士の側から見た歴史は型にはまって、整然としているように見えるけど、これを支配されている側から見ると、その悲惨さやダイナミックな動きが良くつかめる。白土三平は、それを百姓から見るのではなく、それよりも更に差別されている「えた・非人」から見たところに独創性があった。
支配されている側から物事を見ると、その世界の本質がつかめる、ということはジャーナリストの本多勝一も言っている。」


ここの話には本多勝一だけでなく、私の大好きな白土三平の「カムイ伝」まで出てくる。だからいまだにこの話を覚えているのである。当時大学生になって初めてカムイ伝に出会った。あの二十一巻の大長編を何度読んだか覚えていない。

非人の身分から実力による飛躍を求めて忍者になり、そこでも絶望して抜け人になったカムイと、百姓の身分からよりよき生活を求めて苦戦を強いられる庄助と、武士同士の権力争いから剣の道を学び、やがて庄助たちに共感して城の城主までなるが、江戸幕府という大きな政府に敗北してしまう竜の進と、商売の才覚によって身分を越えた力をもとうとする夢屋と、その他女性、子供、動物さまざまな人間たちが入り乱れる大河ドラマである。
大学の講師がこの漫画の魅力をアカデミズムの面から証明してくれたような気がして大変嬉しかった覚えがある。そして本多勝一の説も歴史家が評価してくれていた、と嬉しかった。

そうなのだ。だから「支配される側に立つ」ということは、「本質を掴む」ということなのだ。

しかし「現場」では、そうそう理屈通りにはいかない。

ちなみに今日は映画「カムイ外伝」初日。楽しみだけど、こういう構造までは描けていないだろうなあ。

以下次号。(しばらく連載は飛びます)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年09月19日 07時52分05秒
コメント(2) | コメントを書く
[山大新聞会] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:山大新聞会のころ3「事実とは何か」その三(09/19)   じゅんぺい1960 さん
松山ケンイチ主演のカムイ伝その差別構造まで踏み込んでいればいい映画なのかもしれませんがね。感想聞かせてくださいね。 (2009年09月19日 17時11分25秒)

Re:山大新聞会のころ3「事実とは何か」その三   KUMA0504 さん
監督たちスタッフはみんな正伝は読んでいるみたいです。でも基本はエンターテイメントなので、やはり無理でしょうね。 (2009年09月20日 00時54分22秒)

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.