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再出発日記

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2010年11月27日
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カテゴリ:旅の記録
夏の旅の記録を再開します。これを済ませないと韓国レポートを始められない。
四日めまでの旅の記録は左カテゴリーの「旅の記録」をクリックしたら、下の方にあります。

8月4日(水)5日目
道の駅ふたかみパーク當麻の朝が明ける。

134とうまの駅.JPG
サヌカイトという古代の刃物を一手に引き受けてきた重要な産地二上山が目の前に見える。登山道もあるらしいが、時間的に余裕が無い。それよりも身体のだるさがあまり直っていない。今日の予定を微妙に変えることにした。午前中二上駅まで歩いて飛鳥駅から西の辺りを歩いて回り、午後は大阪に戻って弥生博物館、近つ飛鳥博物館、そして桜井市の纏向遺跡を見て回ろうという強行ルートを考えていた(いつもこんな無理な計画をたてるからいつも計画を挫折するのだ、と陰の声)のだが、ともかく基本的に車で多くは回ることにした。それと、この日はほとんどメモをすることができなかった。よって、見た順番ではなく、テーマに沿って時代ごとに記述したい。

今日のテーマとはなにか。
「進化考古学の大冒険」(松木武彦)第六章「ヒトはなぜ巨大なものをつくるのか」の主張をそのまま今日見た遺跡で証明しようという試みである。

縄文時代、この時代、墓は彼らの象徴的なモニュメントとはならなかった。貝塚ではゴミと一緒に埋葬されている。この時期のモニュメントとして注目されるのはストーンサークルである。縄文時代中期後半から後期になって気候の寒冷化に伴い、厳しさを増した生活の中で、いつもは資源を求めて散らばっている集団がまとまりのきずなを確かめ合うために、季節の節目となる日に集まって太陽の運行を確かめ合うストーンサークルを作り、祭りを行っていた可能性が高い。

194縄文仮面.JPG
この時代、土偶などは別に縄文人はさまざまな仮面を作った。穴をあけて実際に被る仮面、頭の上だけの載せる仮面、置くだけの仮面、組み立て式の立体化面。仮面の問題はこれだけでひとつのテーマになりうる。(大阪弥生博物館14:30)

弥生から古墳時代へ
弥生墳丘墓の代表は西日本にある。山陰の四隅突出墓と吉備の楯築墳丘墓(2C)である。ともに直径50m、40mという当時とすれば最大級の墓ではある。このときに特殊器台という埴輪の原型が採用される。特殊器台は大きな円筒形のお供え用の土器。その上に壷を載せる。楯築の発掘者近藤義郎氏は壷には酒や粥などの飲食物が入っていただろうと推測。この時代の墓は規模が大きくなった一方で、たくさんの人の立ち入りを許し、飲食などの行為をともに行う場であったのだろう。有力者はまだ、人々から隔絶してしまった王ではなく、身近なリーダーとして、その葬儀をこぞって行うような存在だったのだろう。行為型の性質を持った墓であった。

189特殊器台破片.JPG
橿原考古博物には、箸墓古墳から採取されたとする特殊器台型埴輪の破片が展示されている。

朝一番に橿原北側の運転試験場にあるという弁天塚古墳を探しに行く。しかし、試験場の中に入って探したが見つからなかった。(橿原8:00)後でわかったのであるが、どうやら調査だけして壊されたらしい。ここには、弥生墳丘墓から古墳に変わる時期の特殊器台が出土しているというので見ておきたかったのである。

187弁天塚古墳特殊器台.JPG
橿原考古博物館になんとその器台の実物があった。形としては、吉備の最終特殊器台の形態である宮山型に極めて似ている。

188その後の特殊器台.JPG
そして次にあるのが、メスリ山古墳の特殊器台である。非常に大型の器台になっている。もはや、じっさいに酒や食物は載せる様なものではない。

185メスリ山古墳想像図.JPG
メスリ山古墳の円墳部の想像図はこの写真のようだったということである。(橿原考古博物館12:00)つまりこの100年ほどの間に墓の役割が変わったのである。箸墓古墳(3C)の時代になって、墓の役割は「行為型」から「仰見型」へと飛躍が乗じる。長さ約280Mの巨大な墳墓が築かれる。弥生の墳墓が高さ5M程度だったのに対して、箸墓は30Mもある。仰ぎ見るものに性格が変わった。表面にはびっしりと石が葺かれた。もはや人々は軽々しく中には入れない。箸墓の次、メスリ山古墳になると、階段状に築かれた格段に、円筒形の埴輪が延々と並べられるようになる。これはギリシアの神殿の柱列とも似た規則的反復の表現としてみる人の心に律動感を呼びおこしたはずだ。





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最終更新日  2010年11月27日 10時35分46秒
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