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カテゴリ:水滸伝
今日5月11日は土方歳三の命日です。歳三忌とかいうような名前は付けられていないようですが、それを記念してということでもないのですが、この前読んだ土方歳三を主人公にした小説を紹介。
「黒龍の柩(上)」北方謙三 毎日新聞社 滅びるまで、生きる。生ききったという思いの中で、滅びる。それが男ではないか。 なんとなく、そんなことを歳三は考え続けた。(352p) この前書評を書いた「草莽枯れ行く」の脱稿7年後、大作「水滸伝」連載開始前後にこの作品が出来上がっている。しかも、「草莽枯れ行く」と、相楽総三と清水次郎長以外は登場人物がかぶるのである。(2人は同作の主人公なので登場させないようにしたのだろう)だから、これも明確な日本版「水滸伝」なのである。 新撰組、特に土方歳三という二癖三癖ある人物を中心に、今のところ山南敬介、近藤勇、沖田総司、勝海舟、坂本龍馬などが登場して幾人かは物語の途中で退場して行く。最後に「生ききって」退場するのが、土方歳三という仕掛けなのに、違いない。 前巻では、その最後の前に一つの「夢」があったということを匂わせている。そこに「林蔵の貌」で語られたあの「構想」が述べられる。裏の幕末モノといってよい。もしかしたら、他の作品もリンクしているかもしれない。多分「水滸伝」を前にこの作品で幕末モノの集大成を図った感がある。と、いうわけで、期待して下巻へ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年05月11日 18時46分54秒
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