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テーマ:ニュース(99465)
カテゴリ:憲法
今日のテーマを一回で済ませるのは、実は暴挙である。私がネットを始めた昔から、延々「そのエネルギーどこから来るの?」というくらい長い長いコメント応酬が続いていたのを何度も何度も見たからである。
しかしあえて取り上げるのは、違憲だと本心では思っていようが、強行採決だと本心では認めていながらも、安倍首相を支持し続ける人たちの(おそらく)最大の理由は、「国際情勢が逼迫している」という危機感があるのであって、そのことの解消なしには彼らは決して安倍首相支持、安保法制支持をやめないだろう。と思うからである。 私は蟻地獄には入らない。尖閣諸島がいかに危険な状態にあるかとか、中国・北朝鮮が何を狙っているかとか、そのためにはどんな軍事上の備えが必要で、法整備が必要とか、安倍首相のいう「国際情勢」とネットウヨ(仮名)さんのいう「国際情勢」は全く違うものだ、とかいう論議には入り込まない。 それよりも、その前提になる論議が必要だと思うからである。 国会で「強行採決」のあった7月15日、大阪梅田ヨドバシカメラ前でシールズの寺田ともかさん(21歳)が演説をした。その一部を抜粋する。 先日、安倍首相は、インターネット番組の中で、こういう例を上げていました。 『喧嘩が強くて、いつも自分を守ってくれている友達の麻生くんが、いきなり不良に殴りかかられた時には、一緒に反撃するのは当たり前ですよね』 って。ぞーっとしました。 この例えを用いるのであれば、この話の続きはどうなるのでしょう。友達が殴りかかられたからと、一緒に不良に反撃をすれば、不良はもっと多くの仲間を連れて攻撃をしてくるでしょう。そして暴力の連鎖が生まれ、不必要に周りを巻き込み、関係のない人まで命を落とすことになります。 この例えを用いるのであれば、正解はこうではないでしょうか。 なぜ彼らが不良にならなければならなかったのか。 そして、なぜ友達の麻生くんに殴りかかるような真似をしたのか。 その背景を知りたいと検証し、暴力の連鎖を防ぐために、国が壊れる社会の構造を変えること。 これが国の果たすべき役割です。 ちょっと話を単純化し過ぎると思うでしょうか?でも、先ず単純化して、わかりやすい言葉で、マスコミを総動員して、不安情報を大量に垂れ流して、危機感を煽っているのは安倍首相たちの方です。 私のいいたいのは、こういう国のあり方を変える法律を作る前には、政府は「戸締まり論」などの軍事戦術の前に、軍事戦略いや外交戦略を明らかにした上で提案すべきだと言うことです。 集団的自衛権を行使する国になるというのは、非常に重い決断です。敵国は日本を明確に敵国として認識するということなのである。では、日本にその覚悟があるのか。仮に中国が相手だったとすると、中国在住の日本人の生命も保障されなくなる。もし、行使するのなら、どういう戦略を立てるのか。日本と地域の平和にとって大事なのはなんなのか。しかし、今まで出た「報告書」はそういうことを検討した形跡が一切ない。ある日突然アメリカが攻撃を受ける、という想定しかないのである。 よくネットウヨ(仮名)さんは、左翼は「お花畑にいる」という。自分たちは現実的だと自負しているのだろう。しかし私から見れば彼らこそ空想的好戦主義者だと言いたい。 「憲法9条の軍事戦略」(松竹伸幸)を読んで、私は初めて実際1957年に決定された「国防の基本方針」を知った。なんと、この58年間日本は無為無策といっていい「国防戦略」しか持っていない。 その「基本方針」とは、「日本は自衛のための防衛力をもつ」という。しかし一方で、「侵略に対しては」日米安保で対処するというのである。少なくとも文面上、侵略された際に日本が何をやるのかという問題は、一言もふられていない。自衛隊の役割を検討しないまま、ただアメリカに頼るという表明が「国防の基本方針」の真髄だったのである。(44p) そんなバカな、と思うならば、例えばもっと長い文章の「国防白書」でも紐解いてみればいい。尖閣諸島をいかに防衛するか、ということは最近書き始めたかもしれないが、その時中国在住の日本国民をいかに守るか、いかに平和理に着地させるかなどの「方針」は一切書かれていないだろう。 それもそのはず。すべて「アメリカまかせ」なのだから。 マスコミの情報垂れ流しのの中で隠れて見えないかもしれないが、もっと「現実的な」戦略は検討されている。 既に日本を含む23カ国が平和原則を掲げて作られている東南アジア諸国連合、姜尚中さんたちの提唱する「北東アジア共同体」、韓国の主導する「北東アジア平和協力構想」、日本共産党の提唱する「北東アジア平和協力構想」等々である。そこには、アメリカがどういう態度をとろうと、主体的に平和を勝ち取る道筋のヒントがあるだろう。 あゝ私の文章力がないから、こんなことを書いても安倍支持派が趣旨変えするとは思っていない。そもそもこんなことを、ネットで説得するのがムリだと思う。 出来たら、ネット空間で議論をせずに、街に出て議論をして欲しい。いまならば、護憲派はいろんなところに出没していると思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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