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再出発日記

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2016年11月30日
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「IN★POCKET 2016年11月号」


◯あなたが決める!発表!2016年文庫翻訳ミステリー・ベスト10。最速年間ランキング
◯赤川次郎吉川英治文学賞受賞記念講演全収録

この二つの特集、両方とも魅力的でつい買ってしまった。

赤川次郎さんの講演。

(略)私も作家デビューして40年が経ちますので、いろいろな文学賞の先行委員をさせていただく機会があります。2010年の第一回山田風太郎賞でも選考委員を務めさせていただいたんですが、このときの受賞作が貴志祐介さんの「悪の教典」(文藝春秋)でした。最終選考に残ったのが本作と綾辻行人さんの「Another」(角川書店)。両方の作品で殺される人の数を合わせると百人を超えるんです(笑)。これは貴志さんや綾辻さんのような実力のある作家が紡ぎ出した力をもった作品であれば成立します。一方、こうした作品に影響を受けたのか、新人賞の応募作、つまりこれから作家になろうとする人の作品に大量殺人を扱ったものがものすごく増えています。まるでたくさん人を殺すのが小説的サービスだとでも思っているかのようです。しかも「もう勘弁して」と言いたくなるくらい執拗に残酷な描写が続く。単に刺激的であることによって目立とうとしているのかもしれません。新人賞の場合、作品が目立たなかったためにスルーされてしまうくらいなら目立った方がいいという考え方が実際にあると思います。それにしても、大量殺人を安易に扱っているとしか思えない作品が多いのです。
人ひとりの命をどう考えるのか。人が生きていくことはたいへんなことです。親となり、ひとつの命を守り育て上げることの困難さを経験すればなおさらですそれを経験したからこそ、たとえ小説のというフィクションの世界であっても、私は人をそう簡単には殺せないのです。まして一度きりの人生です。その中で交わる人の数は地球的視野からすればごくわずかなものです。しかし小説には小説の数だけ人生との出会いがあります。生命、死、人生‥。その多くを私が学んだのは、そうです、古典作品でした。だから、人の在り方を考える上でも、繰り返しになりますが、古典文学は忘れられてはならないと思うのです。(略)

実は「NHKスペシャル『終わらない人 宮崎駿』」においても、宮崎駿さんは同じような事を言っている。宮崎駿さんが新作アニメを作る段階で若いデジタル技術者のプレゼンを観たときの反応である。
(じゅにあのテレビ視聴録より)

人工知能で映像処理するのは、あちこちで発表されているんですけど、うちでもこんなことやってますみたいな説明です(ドワンゴ会長の川上量生氏)

人工知能で動きを学習させたCGを見せた。

これは速く移動するって学習させたやつなんですね。頭を使って移動しているんですけど、基本は痛覚とかないし、頭が大事という概念がないんで、頭を足のように使って移動している。この動きが気持ち悪いんで、ゾンビゲームの動きに使えるんじゃないかって。こういう人工知能を使うと、人間が想像できない気持ち悪い動きができるんじゃないか。こんなことをやっています(同上)

あのう、うーんとね。毎朝会う、このごろ会わないけど身体障害の友人がいるんですよ。ハイタッチするだけでも大変なんです。彼の筋肉がこわばっている手と僕の手でハイタッチするの。その彼のことを思い出してね、僕は面白いと思って見ることできないですよ。これを作る人たちは痛みとか何も考えないでやっているでしょう。極めて不愉快ですよね。そんなに気持ち悪いものをやりたいなら勝手にやっていればいいだけで、僕はこれを自分たちの仕事とつなげたいとは全然思いません。極めてなにか生命に対する侮辱を感じます(宮崎氏)

私は「悪の教典」を評価している。「進撃の巨人」で次々と人々が巨人に喰われていく様も傑作とは思わないけど、なんとか意味あるものだと思っている。しかし、他の特にゾンビものの漫画や映画の多くを、私は支持することができない。一言でいえば「生命にたいする冒涜」だと私も思うし、「小説的サービス」で作っている作品があまりにも多いと思うからである。

赤川次郎さんのいうように、現代の若者はゾンビや大量殺人を描く前に、しっかり古典文学を読んで欲しいと思う。

さて、その上でのエンタメだ。海外ミステリーのベストテンのうちの何作かは、年にいくつかは読んでみたいと思います。私の志向はあくまでエンタメなんです。その最先端は、今でもやはり海外だと私は思う。

総合ベスト。
(1)「ザ・カルテル(上下)」ドン・ウィンズロウ(角川文庫)米国麻薬抗争。
(2)「熊と踊れ(上下)」(ハヤカワ文庫)濃い犯罪小説。
(3)「拾った女」(扶桑社ミステリー)舞台は50年代サンフランシスコ。ノワール!
(4)「転落の街(上下)」(講談社文庫)コナリーのボッシュシリーズ。
(5)「証言拒否リンカーン弁護士(上下)」(講談社文庫)コナリーのマイクル・ハラーシリーズ。
(6)「ジョイランド」(文春文庫)なんと未だにスティーヴン・キングがテンに入っている!
(7)「悲しみのイレーヌ」(文春文庫)ルメートルのカミーユ・ヴァルーヴェン警部シリーズの実は第一弾。

シリーズや続編ものを選ぶか、単作を選ぶか。ものすごく迷います。





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最終更新日  2016年11月30日 10時16分20秒
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