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カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「幻獣ムベンベを追え」高野秀行 集英社文庫 高野秀行さんの実質デビュー作である。実質というのは、1989年の単行本初出時には「幻の怪獣、ムベンベを追え」(早稲田大学探検部)として他の著者名が付いて刊行されたからである。大学時のサークル活動として、ここまで国際的な本格チームそして個性的なチームを作られた事に先ず驚く。早稲田探検部とは何か?を書き出すとまた長くなりそうなので、「凄いなあ」ということだけ呟いておく。 デビュー作には、その作家の全てが隠されているという。探検報告書としてはかなり面白いのだけど、まだ後年見るような面白過ぎる!的な所まではいっていないし、後年高野さんならばもっと深めるだろう、という所が深まっていない。1番深まっていないのは、目的の幻獣ではなくて、これを聖獣のように思っている現地のボア族の生活だろう。本来の高野さんならば、サル料理の香辛料の正体や、信仰、音楽、狩猟の実態などしっかり取材しただろうと思う。 一方、後年(と言っても、高野さんの本を読んだのはこれが3冊目なのだが^^;)の文章スタイルは既に確立していると思った。少なくともコンゴに入ってからは、高野さんはずっと日記を書いているはずだ。書籍化する時には、その日記に様々なデータを使って肉付けして書いていると思う。そのスタイルは、他2冊でも全く同じだった。それは基本的には私が旅レポートを書く時と全く同じだ。 また、文庫本のあとがきがとても充実していて哀愁も帯びていて良かった。 2018年7月読了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年08月03日 07時22分41秒
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