1715336 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゴジラ老人シマクマ君の日々

ゴジラ老人シマクマ君の日々

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

シマクマ君

シマクマ君

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

読書案内「日本語・教育」

(21)

週刊マンガ便「コミック」

(84)

演劇「ナショナルシアターライブ」でお昼寝

(35)

徘徊日記「日帰りでお出かけ」

(62)

演劇「劇場」でお昼寝

(2)

映画「元町映画館」でお昼寝

(94)

映画「ちょっと遠くの映画館」でお昼寝

(26)

映画「シネリーブル神戸」でお昼寝

(90)

読書案内「映画館で出会った本」

(18)

読書案内「翻訳小説・詩・他」

(53)

読書案内「漱石・鴎外・露伴・龍之介・百閒・その他」

(23)

徘徊日記「垂水・舞子・明石」あたり

(53)

読書案内 「医者や科学者の仕事、まあ科学一般」

(27)

読書案内「現代の作家」

(100)

徘徊日記「お泊りでお出かけ」

(67)

徘徊日記「神戸・元町・三宮」あたり

(85)

読書案内「絵本・児童文学」=チビラ君たちへ

(48)

読書案内「社会・歴史・哲学・思想」

(77)

読書案内 「芸術:音楽・美術・写真・装幀 他」

(30)

読書案内「近・現代詩歌」

(54)

徘徊「港めぐり」

(4)

バカ猫 百態

(22)

読書案内「橋本治・加藤典洋・内田樹・高橋源一郎・他」

(18)

読書案内「水俣・沖縄・アフガニスタン 石牟礼道子・渡辺京二・中村哲 他」

(20)

読書案内「鶴見俊輔・黒川創・岡部伊都子・小田実 べ平連・思想の科学あたり」

(15)

映画「OSミント・ハーバーランド」でお昼寝

(2)

映画「こたつシネマ」でお昼寝

(13)

映画「パルシネマ」でお昼寝

(30)

読書案内「昭和の文学」

(25)

読書案内「BookCoverChallenge」2020・05

(16)

読書案内「くいしんぼう」

(9)

映画「Cinema Kobe」でお昼寝

(5)

週刊マンガ便「ちばてつや・ちばあきお」

(9)

週刊マンガ便「石塚真一・浦沢直樹・ハロルド作石」

(34)

週刊マンガ便「鈴ノ木ユウ・野田サトル」

(19)

ベランダだより

(151)

徘徊日記 団地界隈

(112)

徘徊日記 兵庫区・長田区あたり

(26)

徘徊日記 須磨区あたり

(29)

徘徊日記 西区・北区あたり

(10)

徘徊日記 灘区・東灘区あたり

(41)

徘徊日記 美術館・博物館・Etc

(5)

週刊マンガ便「吉田秋生・高野文子・やまだ紫」

(7)

徘徊日記 芦屋・西宮あたり

(11)

読書案内「大江健三郎・司修・井上ひさし・開高健 他」

(14)

読書案内「古井由吉・後藤明生・他 内向の世代あたり」

(3)

読書案内「谷川俊太郎・茨木のり子・大岡信 あたり」

(19)

読書案内「啄木・白秋・晶子 あたり」

(4)

読書案内「丸谷才一・和田誠・池澤夏樹」

(11)

読書案内「吉本隆明・鮎川信夫・黒田三郎・荒地あたり」

(13)

週刊マンガ便 「松本大洋」・「山川直人」

(13)

読書案内「リービ英雄・多和田葉子・カズオイシグロ」国境を越えて

(5)

読書案内「村上春樹・川上未映子」

(13)

映画 パレスチナ・中東の監督

(6)

読書案内「近代詩 賢治・中也・光太郎 あたり」

(7)

映画 韓国の監督

(25)

映画 香港・中国・台湾の監督

(37)

映画 アニメーション

(13)

映画 日本の監督 ア行・カ行・サ行 是枝・黒沢

(53)

映画 日本の監督 タ行・ナ行・ハ行 鄭

(26)

映画 日本の監督 マ行・ヤ行・ラ行・ワ行

(16)

映画 イギリス・アイルランド・アイスランドの監督

(41)

映画 イタリアの監督

(21)

映画 ドイツ・ポーランド他の監督

(24)

映画 ソビエト・ロシアの監督

(11)

映画 アメリカの監督

(99)

震災をめぐって 東北・神戸・原発

(3)

読書案内「旅行・冒険」

(4)

読書案内「本・読書・書評・図書館・古本屋」

(13)

映画 オーストラリア・ニュージーランドの監督

(5)

映画 フランスの監督

(49)

映画 スペイン・ポルトガルの監督

(10)

映画 カナダの監督

(5)

映画 グルジア(ジョージア)の監督

(15)

映画 ウクライナ・リトアニアの監督

(7)

映画 イスラエルの監督

(3)

映画 マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、スロベニアの監督

(6)

映画 オランダ・デンマーク・ベルギーの監督

(10)

映画 フィンランド・スウェーデン・ノルウェイの監督

(6)

映画 トルコ・イラン・カザフスタンあたりの映画監督

(12)

映画 ギリシアの監督

(3)

映画 アルゼンチン・ブラジル・ペルー・チリの監督

(6)

映画 ハンガリー・ルーマニアの監督

(5)

映画 アフリカの監督

(3)

映画 スイス・オーストリアの監督

(3)

読書案内 戯曲 シナリオ 劇作家

(1)

読書案内 ジブリの本とマンガ

(5)

週刊マンガ便「小林まこと」

(9)

読書案内「野口武彦・前田愛・橋川文三・藤井貞和」

(2)

映画 インド・ネパール・ブータン・アフガニスタン・タイ・ベトナム あたりの監督

(5)

週刊マンガ便 キングダム 原泰久・佐藤信介

(17)

読書案内「川上弘美・小川洋子・佐伯一麦」

(9)

読書案内「立花隆・松岡正剛」

(5)

日記/記事の投稿

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2020.05.10
XML
​​​​​​2004書物の旅 「ぼくが50歳だった頃、教室で」その18
片山恭一『世界の中心で愛を叫ぶ』(小学館)
 ぼくが50歳だったころ、教室で十代の生徒たちに語っていました。その頃の「読書案内」復刻版です。2004年ころにワープしてお読みください。 

  ※    ※    ※    ※    ※    ※    ※
 
​えーっと、初めて読者の方から反応がありました。片山恭一『世界の中心で愛を叫ぶ』(小学館)ですね。恐ろしいほど流行っていて、読んだ若い人たちの口コミでどんどん広がっているそうです。映画にもなったそうです。マンガにもなっています。主人公の新しい彼女を主人公にしたお話まで本になったんだそうです。おいおいこれは一体何なんだという、この作品について高校生一年生のKさんからこんなオススメのメールが届きました。 
 ​今話題の「世界の中心で、愛を叫ぶ」です。福岡在住の作家「片山恭一」さん(45歳)の小説で、206ページあります。主人公は「朔太郎」という名の少年で、同級生の「アキ」と愛をはぐくんでいましたが、突然の病がアキに襲いかかる・・・。恋人を失う悲しみが痛切に迫る物語です。映画や漫画にもなっているのでぜひ一度は読んでほしいと思います。​
 まず、この案内を読んでくれている人から反響があったことが嬉しいわけです。ははは。ありがとう。
 話を戻します。友達のサッカー少年がこの本を貸してくれました。我が家ではまず中学生のお馬鹿娘が、ぼくが借りて帰ったこの本を先に読んでこういいました。

「一回は泣くで。」
「ウーンそうなのか。オヤジでも泣くかな。」
 
「そんなコトは知らん。」

というわけでぼくも読みました。残念ながら泣けませんでした。だって泣け泣けって書いてあるように感じてしまったんだもの。おじさんはいやですね。素直になれないんです。

 おバカ娘は益子昌一「指先の花」(小学館文庫)をさっさと買い込んで読んでいるようすです。片山さんの小説の後日談だそうです。
 泣けない
おやじは、「愛と死をみつめて」(1964・日活)という映画があったなあ、と思い出にふけっています。実話のドラマ化と小説という違いはあるけれど「よく似ているな。」と思い出しました。
 吉永小百合浜田光男という1960年代を代表する純愛俳優のカップルが、不治の病で死んでしまう少女と残される大学生を演じて一大ブームになりました。主題歌も流行ったんです。現在50代の人たちにマイクを持たせてメロディを流すとたいてい歌えると思います。若いみんなは知らないでしょうね。浜田光男はどうなったか知りませんが、吉永小百合はプールで泳いでいる。
 ちょっと、いや、かなりかな、素敵で健康そのもののおばさんになってコマーシャルに出ているけれど、ぼくの中では若くして死んでしまう薄倖の美少女のままですね。しかし、その映画の時もぼくは泣けなませんでした。だって照れくさいじゃないですか。
 
ところで、この小説について不満というか、残念に思うことのひとつは、『世界の中心で』とあるけれど、それがどこなのかぼくにはよく分からない事ですね。恋愛小説というものは、えてして二人の世界に閉じてしまいがちなのですが、そこで世界の中心といわれても困ってしまうわけです。
 ぼく
自身のことでいえば、自分自身や、自分と対になる他者を中心と考える考え方は嫌いなんです。
 恋人同士、夫婦、家族なんかについて、誰でもそう思いがちだけど、抵抗があります。外側の世界が必ず入り込んできて、まあ、何とか持ちこたえているとか、ここはかなり端の方らしい、くらいの考え方がどっちかというと好きです。
 
吉本隆明という詩人が『共同幻想論』(角川文庫)という国家を論じた本の中で、人間の世界のあり方について、一人一人の夢や生き方という個人的な認識世界を「個的幻想」、家族や、恋人といった実感で繋がっていると感じる他者に対する認識世界を「対幻想」、社会、国家、法律というような誰にも共通して他人事のようだけど、そこに居ることから逃れようのない認識世界を「共同幻想」と、いかにも詩人らしい言葉で区分けして論じています。「幻想」というところがポイントなんですよね。
 その本の中で一番印象に残っている事は「対幻想と共同幻想は逆立ちしている」という言い回しで、ぼくなりに妙に納得したことがあります。対幻想、すなわち恋人達二人の世界は一人ぼっちの寂しさを救うけれど、なぜか社会から孤立していってしまいます。友達大勢でいるより二人でいたほうが楽しいんです。その結果なのか、どうか、自分達は特別だと思いたがるんですね。にもかかわらず社会の側から見ると何の変哲もない家族でありカップルであるに過ぎないわけ。
 変な事がいろいろある世の中全体とは違って、自分達はまともな生き方をしていると思い込んでしまいます。そんなまともな人たちが集まってみると変な社会が出来る。これはかなり不思議なことだと思うんですが、きちんと説明できた人を、ぼくは知りません。
 
この小説は二人の世界の「愛」を描いています。「愛」が育っていく経緯や登場人物のキャラクターも素敵です。そして、その美しい愛のかたちは「死」と引き換えに完結していますね。青年の苦しみ方も、よくわかります。「死」によって世界の中心に一人残されたと感じるのもわかります。
 ところで、そこは世界の中心なのでしょうか。吉本さんを思い出しながら、そう感じたわけです。こんな言い方はおじさんでしょうか?
 まあ、でも小説の最後になって、青年が新しい恋人との生活、つまり新しい世界に生きはじめている事がわかって少しだけほっとしたという次第でした。
 
​​​この人の作品は『もしもそこに私が、いるなら』(小学館)、『君の知らないところで世界は動く』(新潮社)、『空のレンズ』(ポプラ社)など結構たくさんあります。最近新刊も出ました。いろいろ読んでこの作家の「中心」を捜してみてください。
 ああ、ぼくは、結局、みんな読みました。えっ?はまってるんじゃないかって?ふふふ。(S)
​追記2020・05・10
 古い記事を投稿しようとして「事実」確認で調べていて「あー」と思ったことが二つありました。
 一つは映画「世界の中心で、愛をさけぶ」(映画.com)についてですね。監督行定勲に始まって、俳優陣は柴咲コウ、長澤まさみ、山崎努、宮藤官九郎 etc.の名前がずらりと並んでいるではありませんか。もう、びっくり仰天。今なら、きっと、見たに違いありませんが、当時のぼくは「映画」そのものに興味を失っていたらしいですね。まったく知りませんでした。
 二つ目は、著者の片山恭一さんは今もご活躍の様子ですが、最新の著書が『世界の中心でAIをさけぶ』だそうです。よくわかりませんね。
​​


PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
ボタン押してね!

にほんブログ村 本ブログへ
ボタン押してね!








ゴジラブログ - にほんブログ村​​


​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020.12.08 13:37:31
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X