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カテゴリ:憲法
5月3日の朝日新聞では、例年の様に憲法の世論調査の発表があった。URLを示しても、やがて消えてしまうので、少し長いが、以下に紹介する。
憲法9条「変える」43%、「変えぬ」42% 世論調査 3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社は日本国憲法について、全国世論調査を実施した。憲法全体をみて「改正する必要がある」は55%で、05年の前回調査の56%と同水準だった。「改正する必要はない」は32%(前回33%)。9条改正を巡っては、1項(戦争の放棄)、2項(戦力の不保持)とも「変えない」が42%。「変える」は「1項、2項とも」18%、「1項だけ」9%、「2項だけ」16%を合わせて43%だった。 調査は4月15、16日、全国の有権者3千人を対象に面接方式で実施した。 今国会で焦点となっている、憲法改正の手続きを定める国民投票法に対しては「憲法改正の議論が不十分なうちに決める必要はない」が53%と過半数で、慎重な見方が多数を占めた。「早く決める方がよい」は32%にとどまった。 憲法改正については97年以降、同じ質問を重ねている。「必要」は46%(97年)→47%(01年)→53%(04年)→56%(05年)→55%(今回)で、「必要ない」は39%→36%→35%→33%→32%。「必要」は3年連続で半数を超えたが、今回は伸びが止まった。 「必要」と答えた人のうち、憲法改正は「日本の社会を大きく変えたいから」という人は38%で、「それほどではない」が57%と上回った。憲法改正で社会の変革を望むというよりも、憲法を社会の現状に合わせるという意識が、改憲派には強いようだ。 9条については、今回初めて、条文を読んでもらったうえで、1項と2項に分けて改正の是非を聞いた。 前回は、9条を「変える方がよいか。変えない方がよいか」と質問し、「変える」36%に対し、「変えない」が51%と多かった。今回、「変える」43%、「変えない」42%と拮抗(きっこう)したのは、戦争放棄の1項を堅持したい人が、前回は「変えない」を、今回は「2項だけを変える」を選んだ可能性もありそうだ。 自衛隊の存在を憲法に「明記する必要がある」は62%で「必要はない」は28%。「明記が必要」という人にその方法を聞くと、「9条を残し、新たな条文を追加する」が64%で、「9条を変える」の31%を上回った。 自衛隊を軍隊と位置づけることには、「明記が必要」という人の54%が「反対」と答え、「賛成」は38%だった。 毎日の世論調査のときは、「憲法改正「賛成」65%」でしかも賛成が5%も増えたので少しあわてて、共産党の松竹伸幸氏に助言を頂いたりしたが、今回はさすがに「憲法9条「変える」43%、「変えぬ」42%」という結果に対しては、冷静に以下のように述べることができると思う。 結論としては、改めて「憲法を変えると海外での武力行使ができることになる」ということを、どれだけ国民に浸透させるかが、一番のカギを握っている。ということだ。 憲法改正賛成55%、憲法9条「変える」43%の中身を見る必要がある。憲法への自衛隊明記は「必要」が62%「必要ない」が28%であるが、その「必要」と答えた人に「自衛隊を軍隊と位置づけることに賛成ですか」と聞くと、「賛成」38%「反対」54%なのである。また、集団的自衛権については「使えない立場を維持する」53%「使えるようにする」36%なのだ。結局、「憲法を変えたほうがいい」という意見の多くは、現状維持であって、自民党の憲法草案の中身とは大きくかけ離れていると見るのが正解であろう。しかし、もう一方では、国民は今の改憲の流れが、「集団的自衛権を認めて、海外で戦争が出来るようにする」ということと結び付けられていない、ということも現実なのだろう。どうやったら結び付けることが出来るのか。それがこれからの課題である。 なお、「国民投票法に対しては、慎重な見方が多数を占めた。」という結果はこれからの国会運営に対して追い風となる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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