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2020年06月17日
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「転生したらスライムだった件」(1ー14)伏瀬原作 川上泰樹漫画 シリウスKC

平成時代に誕生した、「若者の精神文化」を象徴する「物語」をひとつ挙げるとすれば、それは「異世界転生」ものらしい。昨年、講談社はこのマンガひとつで増収増益になったらしい。「十二国シリーズ」は、その魁(さきがけ)らしいのだが、「転生」ものの代表作はコレだと一部で聞いた。マンガの方がわかりやすいと思い、現在まで刊行している14巻目までを一気読みした。

小説版はもう少し展開が進んでいるようだが、わかりやすいマンガ版を読んだ。世界観だけならば、これ以上の世界観の開陳はないように思われるので、これ以上は書評しないことにする。魔法、ドワーフ族、ゴブリン族、エルフ族など「指輪物語(元を質せば北欧伝説)」の設定が多く出てくる。普通の社会人が異世界転生して、常人以上の「スキル(能力)」を獲得して、「世界を変える物語」である。そこには新しい世界観はない。主人公は魔界族も人間も共存できる平和な世界を望みながらも、戦争をせざるを得ない。これは現実世界の反映であり、現代の世界観を転用しているだけだ。現代世界を解釈し直す「回答」ではない。

主人公は、そもそもそんなに現代世界でいじめにあっていたとか、不幸だったわけではないのだが、ともかく異世界転生したらとんでもない能力を身につけて仕舞う。ひとえに、ゲーム世界の反映だろう。スキル獲得の過程や、地図も用意した各国のお国事情や、豊富なキャラ登場に依拠した物語世界の構築で、一応、まるで奥深くにまだ開陳されていない「真実」があるかのように錯覚させられているだけだ、と私は思う。錯覚によって(魅力的なキャラ設定によって)人気が出たとしか思えない。(←もちろん、キャラで人気が出るのを否定するわけではない。問題は、講談社のような巨大な企業を潤すほどの人気が出ているということなのだ)

ゴブリン、鬼人、魔神、獣人、人間たちとの共存世界は、人種の坩堝たる西欧社会では夢物語でリアルさがない。日本では許されるのだろう。単純な戦争経緯も解決も、そして主人公が仲間を蘇生させるために2万人の兵士を犠牲ににすることも、ファンタジーだから、ということで許されるのだろう。

これでゲーム世代が、この現実逃避しているのだと言われても仕方ないような作品で、何かを学んでいるのだとしたら、昭和世代としては、とても心配になる。





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最終更新日  2020年06月17日 07時57分52秒
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