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テーマ:お値打ちワイン(628)
カテゴリ:オーディオ
オーディオの原点 ウェスタン・エレクトリック Western Electric 現代オーディオの原点・源流と言えるウェスタン・エレクトリックの話に入る前に、私たちが楽しんでいるオーディオのルーツをたどってみたいと思う。 古くは自動演奏楽器(オルゴール)の時代があった。皆さんがご存じのオルゴールとは違い、本物の楽器を使った今で言う自動ピアノの様な物である。これは有名な演奏家の演奏を記録し、それを同じ楽器で再生するもので、本物と聴き分けられない位正確に演奏を再現してみせた。その音を今聴くとオーディオでは出せない本当に生の音が再現される。まあ本物の楽器から音がでるのだから当然といえば当然である。しかしこのシステムの欠点は人の声が再生できないことだった。 その後1877年にエジソンが発明した蝋管や様々な録音再生方法が考案され、蓄音機の時代が到来した。いっぽう1876年にベルが電話を発明、初めて人の声が電送される。1906年にはデ・フォレストによって3極真空管が発明される。2極真空管ではできなかった3極真空管によって増幅機能がもたらされたのだ。この素子はオーディオンと呼ばれ、より真空度を上げる改良が施され増幅器(アンプ)に使われていった。電話を始めラジオ、電気録音再生といった多くのメディアがこれらの技術を使って誕生していく。19世紀末から20世紀初頭にかけて目覚しい技術革新が多くの天才エンジニアの手によってなされたのであった。 アメリカ最大の電話会社AT&Tはこれらの特許を買い取り、全米に電話網を張り巡らせていった。ウェスタン・エレクトリックはAT&Tの製造部門としてその傘下に入り、ベル研究所は技術開発を受け持った。ウェスタン・エレクトリックは潤沢な資金と数多くの技術者と多くの特許に守られ、大変恵まれた環境で歴史に名を残す名品を作っていった。そうしたなかでウェスタン・エレクトリックは映画事業に進出していく。 1926年の映画「ドン・ファン」では、オーケストラの演奏部分が映像とシンクロして上映された。この時映画館で使われていたシステムはウェスタン・エレクトリックのヴァイタフォンシステムである。映画制作会社ワーナー・ブラザーズ社とウェスタン・エレクトリックの共同出資会社であるヴァイタフォン社の名前を取ったものと思われる。このシステムは、WE8B、WE9A・WE10Aアンプと、WE555Wドライバーからなるものである。ヴァイタフォンシステムはそのあまりの音の素晴らしさで大反響を呼び、ウェスタン・エレクトリックの名を世に知らしめることになった。 翌年の1927年にはトーキー映画「ジャズ・シンガー」が上映された。これは人の歌声を映像と同期させた初めてのもので、史上名高い作品である。このサウンドシステムを担当したのもウェスタン・エレクトリックであった。 また、1930年代にはヴァイタフォンシステムを凌ぐミラフォニックサウンドシステムを開発。ミラフォニックとはMirrorとphonicを組み合せた造語だと思う。鏡のように忠実な音響という、まさに原音再生を目指して命名された名前であろう。 こうしてウェスタン・エレクトリックは全米の映画館の90%に機材を納入するまでになっていく。しかし独占禁止法の問題等もあって、ウェスタン・エレクトリックは1937年に表向きには映画事業から撤退してしまう。その後のウェスタン・エレクトリックは電話を始め放送局の機材や軍事用の機材を手がけ、映画事業に関してはウェストレックス(主に海外向け)やアルテックに引き継がれていった。そしてその技術は戦後の多くのオーディオメーカーに多大な影響を与えた。JBLを始めアルテック、タンノイ、ヴァイタボックス、マッキントッシュと言った名だたるメーカーは、ウェスタン・エレクトリックと多くのつながりを持っている。ウェスタン・エレクトリックをオーディオの原点・源流とする所以である。 第一次世界大戦と第二次世界大戦のわずかな間の1926年から1936年までの10年間の間に、今われわれが聴いても最高の美音を奏でるアンプ(そしてそれを構成する、真空管、トランス、抵抗等)やスピーカーをウェスタン・エレクトリックは開発した。測定器だけに頼らず、幾多の試聴によって作られたウェスタン・エレクトリックの製品は、いまだに聴く人に多くの感動を与える。多くの音楽家もウェスタン・エレクトリックの開発のための試聴に参加したと聞いている。 しかしそれらの多くは、メインテナンスが楽でコンパクトな新しい機材と入れ替えるときに、ゴミとして捨てられてしまった。けれど幸いなことに、わずかな数のアンプやスピーカーは、マニアによって守られ残されているのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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