ボジョレーヌーヴォーの意味も変わって来たと思います。私は1976年から毎年飲んで、1980年から毎年ヌーヴォーの会を解禁日にやってきました。昔は今ほど種類が無かったので20Lの樽詰のヌーヴォーを買って皆で飲んだものです。最近はペットボトルも加わって、空輸で880円や500円の安い物も出て来ています。
本格的なワインが好きな方からは水っぽいとかワインじゃ無いと言われますが、それって新酒の意味が分かっていない??と思うのです。
ウイーンの郊外に新酒を楽しむホイリゲと言う場所がありますが、ホイリゲで飲む新酒はアルコール度数も低く、まだ濁った微発泡酒です。本当にジュースみたいなワインです。それでも多くのワインファンが楽しみに飲みに集まります。
世界遺産になった白川郷で昔から毎年10月14日から10月19日の間どぶろく祭りが開催されます。どぶろくが禁止されていた間も宗教行事として続いていました。その年の米で作った新米の新酒のどぶろくを村中で飲むのです。
新酒を飲むと言うのはその年の収穫を祝うお祭りの1つなのです。
ボジョレー・ヌーヴォーもその年の収穫を祝って飲むお祭りのお酒です。
今年も無事に収穫できた事を神に感謝し、来年の豊作を祈り、そして一緒に働いて来た皆と飲んで労をねぎらう祝いの酒です。
まあ一部のワイン通は農業やった事無いから分からないのでしょうね。味を品評する前に祝酒なのですよ。
ただ、日本においては空輸の関係もあって割高で一本2000円と言う高値が続き、飛行機代を1000円分飲んでいる感じでした。
また、何故外国の祝い酒を日本で飲むのだ・・・と言う考えもあるのも分かります。
最近ペットボトルの輸入も増えて600~900円で買える様になって来て、この割高感も解消しました。
値段の高い手間のかかった4000円の物から、800円の物まで価格差が広がった事はとても良い事だと思います。
安い物も割と品質は良いです。と言うより高額品は良いワインに作り過ぎでヌーヴォーらしく無くなって来ている様にも思います。
是非、ワイン通でワインに何時も世話になってる人はヌーヴォーを飲んで楽しんで下さい。
大きなグラスでスワリングして飲むのも良いですが、コップでガブガブ飲むのが本来の新酒の楽しみかと思います。
余談ですが、日本はボジョレー・ヌーヴォーの輸出量の半分を買っている、不思議な国です。ワインの消費量はビリの方なのですが・・・
この理由は、日本人は日にちが決まったイベントが好きなのだと思います。
12月24日にはクリスマスケーキを買って食べる、元旦には初詣に行ってお節を食べる。2月14日にはヴァレンタインでチョコレートを贈って食べる、他にもこんな商魂に嵌りやすい傾向があります。マスコミも必ずその時期になると取りあげます。ボジョレー・ヌーヴォーも解禁日が決まっているので、何となくその日に友人や家族で集まってワインを飲む、飲んで話題に付いて行きたい。そんな日本人の気質がヌーヴォー世界一のマーケットになったのでしょうね。出水商事さん、サントリーさんのお力だと思います。