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テーマ:本日の1冊(3684)
カテゴリ:読書(ノンフィクション)
中学生が読むという「よりみちパンセ!」シリーズなるものを買ってみる。
小熊英二『日本という国』理論社 この人は本来、長編の人だ。その人が中学生にも分かるように四苦八苦しながら明治から昭和にかけての日本の『問題』を提示するのは、たいへんだったに違いない。 結果みごとな問題提起が出来たと思う。 中学生の皆さんに提案があります。 夏休みが終わったら、文化祭の準備に入ると思いますが、社会研究サークル辺りがぜひともこの問題提起に取り組んだらどうだろう。この本をたたき台にして、集団討議して、わかったところ、わからなかったところを整理し、疑問を親や教師や大人にぶつけて、文化祭で発表したらどうだろう。きっといい発表が出来るはずだ。 福沢諭吉『学問のすすめ』は『人は平等だ』といったわけではないの? 学歴社会ってこんな風に出来たのか 憲法は『押し付け』なのか否か 日本はアメリカの<家来>になったのかなあ 韓国が今ごろ賠償請求するって、どうよ 自衛隊海外派遣は必要なの? 全部あと6~7年もすれば、中学生が責任もって判断しなくちゃいけないことばかり。おじさんは文化祭のテーマにふさわしいと思うけどなあ。新聞社に手紙を書けば、取材に来てくれるかもしれないよ。あっ、もちろん先生と相談してからだけどね。 もし『こんなの文化祭のテーマとしてはふさわしくない』という教師や親がいたら、コメントください。本気で相談にのります。 偶然薔薇豪城さんという方もこの本のことを昨日の日記に書いていました。その中で、巻末の『谷川俊太郎さんからの四つの質問』のこともかいています。小熊さんの答えはそこで見てもらうとして、おじさん、この四つの質問には唸りました。 『何がいちばん大切ですか?』 『誰がいちばん好きですか?』 『何がいちばんいやですか?』 『死んだらどこへ行きますか?』 このシリーズ、全ての作者にこの質問がぶつけられているらしいのですが、みんなそのときの気持を書いていて、決して将来への約束ではないというところが味噌です。でも、真剣に答えてみると、自分がこれからどんな人になって生きたいのか、見えてくるから不思議です。 研究発表の付録として、メンバーがこの質問に答えてみるというのも面白いですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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TBとご紹介ありがとうございました。丸山真男の「病床からの感想」を最後にもってきて、「日本の悲劇の因はアジアのホープからアジアの裏切り者への急速な変貌のにうちに胚胎していたのである。」と紹介してあって、あとは子ども達がどう考えるか、ボールを投げていますね。61年目を迎え、子ども達に期待したいです。
(2006年08月18日 13時51分19秒)
5~8年経つと、中学生も大人になるんですねぇ。
その間の思春期が大変だろうけれど... 義務教育は中学で終わるから...真剣に考えるいい機会。 (2006年08月18日 18時09分38秒)
こんにちは。
実は『日本という国』を読むまで小熊英二氏の凄さに気付かず、大慌てで『民主と愛国』を購入し熟読しているところです。膨大な資料を理路整然と整理した明解な論理と洗練された文章に惚れました(笑)。 (2006年08月18日 21時04分12秒)
薔薇豪城さん
>TBとご紹介ありがとうございました。丸山真男の「病床からの感想」を最後にもってきて、「日本の悲劇の因はアジアのホープからアジアの裏切り者への急速な変貌のにうちに胚胎していたのである。」と紹介してあって、あとは子ども達がどう考えるか、ボールを投げていますね。61年目を迎え、子ども達に期待したいです。 ----- 『病床からの感想』が書かれた目的である、サンフランシスコ講和条約に対する批判、これがもっと『日本という国』の問題になっていたなら、現在の日本は180度違っていたでいしょうにね。反対にいえば、このときの知識人は明確に日本の根本問題を意識していたということ。 現在は憲法問題でしょうか。 (2006年08月18日 23時22分21秒)
ポンボさん
>5~8年経つと、中学生も大人になるんですねぇ。 >その間の思春期が大変だろうけれど... >義務教育は中学で終わるから...真剣に考えるいい機会。 ----- 中学生の皆さん、あと6~7年もまっていたら、日本は大変なことになるかもよ、と少し怖がらせてみたい。(半分本気で) (2006年08月18日 23時24分23秒)
kikyoさん
>こんにちは。 >実は『日本という国』を読むまで小熊英二氏の凄さに気付かず、大慌てで『民主と愛国』を購入し熟読しているところです。膨大な資料を理路整然と整理した明解な論理と洗練された文章に惚れました(笑)。 ----- 私は『民主と愛国』が小熊初体験で、しかもそれで彼に惚れてしまったのだけど、まだ読みきっていない。(^^;)竹内好あたりで一年ぐらい止まっています。でもこの本を原作にして、半分ドキュメント半分大河ドラマとして、映画化したら面白いだろうなあ、と夢想したりしました。丸山真男やら、鶴見俊輔やら、戦後の知識人が戦後というドラマに大河のように参加していくのです。大者俳優として、天皇には重要な役割があります。金があったらプロデューサーやるのになあ。 でも、あんまり惚れすぎるのもよくないなあ、とは思っています。『心情』のキーワードであまりにも説明しすぎるところなんか、少しプレイボーイっぽいです(^^;) (2006年08月18日 23時32分15秒)
第一部は勉強になりました。
(2006年08月23日 11時09分32秒)
タウムさん
ごめんなさい。時々、TBが出来ないことがあるみたいです。もう一度試していただいたら嬉しいのですが。 (2006年08月23日 11時46分18秒) |
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