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テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:読書(ノンフィクション)
「みんなのなやみ」理論社よりみちパンセ! 重松清 小学校高学年から高校生くらいまでの悩みに、重松清が真剣に答える。ご存知のように、重松清の小説はもうそれだけで「悩み相談室」みたいなものなのだが、この本は悩みに直接答えているのだら、迫力が違う。 よりみちパンセ!シリーズは全部そうなのかもしれないけど、子供にも大人にも読んで欲しい内容が満載だ。子供に真剣に付き合うということは、世界の本質を理解するということだから当然なのかもね。 「お姉ちゃんが高校になって急に夜遅く帰るようになった。心配です。」 「大人はどうしてピアスに反対するんでしょうか。」 「私の大親友がいじめられています。」 重松さんは手を抜かない。なるほどこんな親だったり、先生だったりしたら、子供は何でも話すことが出来るだろうか。それともやはり反発して、自分で解決するようになるだろうか。重松さんは繰り返し、自分で解決するな、という。 さて、こんな悩みがありました。皆さんならどう答えますか。 「まじめに悪いことをせず、勉強しろとよく言われるけど、不安定なこの時代、ほんとうにそうしたからって幸せになれるんでしょうか?一生懸命頑張って意味はあるんですか?」(貴子さん14歳) 重松さんは言います。 とても大きな問いかけです。いまこの問いかけに対して、大人が「こうなんだ」と答を言い切ることが出来ない時代なんだ。とってもかなしくて残念なことなんだけど、でもそれが現実だから、せいいっぱい答えようとおもいます。 6pにかけて、重松さんは丁寧に答えるのだけど、そこまでは紹介出来ないので、結論部分のみ要約して書きます。 「一生懸命頑張って意味はあるんですか?」という問いはリアルだけど、この発想は止めたほうがいい。頑張った結果を凄くほしがっている、ということになってしまうんだ。このフレーズは、本当は「一生懸命頑張ることに意味はあるんですか?」にしなければならないんだ。それには、ぼくは「意味がある」と答えたい。 「負けを知る」ということがある。いざ大人になってはじめて負けちゃうと、ショックが大きいんだ。いろいろ経験することは、かならず君を人間として、丈夫な人にしてくれると思うんだ。 さらに「大人にいいたいことだし、子供に謝らなくてはいけないこと」として重松さんは言う。 こつこつやっている子供の居場所が、ちゃんとある。ぼくらは、そういう社会にしなくちゃならない。もちろん、大人だって居場所は欲しい。それはみんなで考えたいなって思うことなんだ。そのときに、貴子さんのような若い世代に「こんな社会だからもうがんばらないよ」っていわれちゃうと困る。でも、がんばろうよって、ぼくはいいます。ただし、ゆっくりでいい。ゆっくりがんばれ、あせらなくいいんだ、ということなんだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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古墳公園の記事に書き込みありがとうございました。是非関東の古墳を見にいらしてください。
「一生懸命頑張って意味はあるんですか?」 ウチの子供たちもそういう疑問を持っています。 しかし、周囲が、真面目であることはかっこわるい、みたいな雰囲気でして、特に下の子はまるっきりそんな空気に染まっています。 別に悪いことをするわけでもないんですが。 (2006年08月22日 10時33分11秒)
クロババさん
>古墳公園の記事に書き込みありがとうございました。是非関東の古墳を見にいらしてください。 > >「一生懸命頑張って意味はあるんですか?」 >ウチの子供たちもそういう疑問を持っています。 >しかし、周囲が、真面目であることはかっこわるい、みたいな雰囲気でして、特に下の子はまるっきりそんな空気に染まっています。 >別に悪いことをするわけでもないんですが。 ---- ようこそいらっしゃいました。 私より数十年前は、貧乏人はいくら勉強しても意味がないといわれました。 私らのときは、いい大学さえ入れば、 あとは大丈夫、といわれました。 ところが、まだ働けるのに、大学を出ているのに、 そんなことは意味がないといわれるようになりました。 子供たちが戸惑うのももっともです。 でもだからこそがんばれ、といいたい。 ぼくもがんばります。 (2006年08月23日 01時22分33秒) |
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