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テーマ:韓国!(16902)
カテゴリ:韓国の旅2
9月6日(木) 四日目
雨は止んだようだ。風が強い。バスターミナルにコインロッカーはないので、荷物をモーテルに預けて表忠寺(ピョチュンサ)にバスで向かう。途中の村では、延々と夏目が続いている。こんなもの果物屋に売っていたっけ。それにしてはこんなにも栽培して、何に使うのだろう。子供のころはよく盗んで食べて怒られたっけ。‥‥‥などと思っていると、「棗(なつめ)」であったと思い至る。(私の子供の頃はこれを夏目と呼んでいたのです。小さいけど、赤く熟したときそのまま食べるとリンゴのような味がします。)韓国でよく使われる健康茶の原料ですね。参鶏湯にも入っていますね。 バスで走ること約40分、表忠寺は緑滴る山奥にある。風はさらに強くなっている。四溟大師(サミョンテサ別名松雲大師1544-1610)ゆかりの寺である。大師は壬辰倭乱(朝鮮出兵)の折には、義僧兵を組織する。そして家康の時代に和平方針を受け、捕虜3,000人の返還交渉をした人である。(銅像は密陽の博物館の前にあったもの)寺にはそのときの交渉の資料が展示されてある。次の写真は「捕虜送還文書」。この国交回復をきっかけとして、江戸時代12回にもわたる朝鮮通信使が始まったのである。 日本でも時々あるが、寺の参道には賽の河原よろしく石が積まれている。寺の中には、日本でも時々あるが、瓦に家族の名前などを書いて奉納をしていた。一瓦10,000Wはたぶん安い。 寺には古い謂れがありそうな3層石塔があった。冥府殿では亡き家族のことを思い(?)ずーと瞑想している人がいた。 古霧井という休憩用の建物(?)に寝転び、しばらく外の自然を眺める。韓国には珍しいお盆を伏せたような優しい山が目の前にある。広葉樹林なので、紅葉期にはさぞかしきれいだろうなあ、と思う。強い風に応え、木々が波打つ。この辺りの自然は「聖なる山」として、陶器用の窯を焚くための採伐もされず守られてきたのではないか。と思う。落ち着いた気分になる。 韓国では、どんなに古い建物でも常に色を塗り替え、創建当時の状態を見せる。(写真参照)日本の「古いものは古いままにする」と言う価値観とは180度違う。しかし、私は寺の隅の方で見つけたこの瓦の「朽ち果てた」様子に趣を覚える。(写真参照)人工物が長い間に自然の力だけでここまで朽ちてきたのである。そこに長い自然の営みを見るからである。「わび」とか「さび」とかいうのは畢竟そのような「想い」なのではないか。 続く。今回は三回に分けて送ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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