6857339 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

発注した後で チル… New! ポンボさん

徘徊日記 2024年4月… New! シマクマ君さん

源氏物語の紫式部日… New! Photo USMさん

『「難治の国」ある… New! Mドングリさん

昔語り:船場の末裔 New! 天地 はるなさん

カレンダー

2015年03月23日
XML
テーマ:本日の1冊(3684)
カテゴリ:加藤周一


「戦争責任の受けとめかた ドイツと日本」加藤周一著 編集・国民教育文化総合研究所 アドバンテージサーバー発行

加藤周一の戦争責任論については、「戦後世代の戦争責任」(かもがわ出版)などの普及版があるので、広く世に知られている。しかしそれより少し前に出版された本書は、現在では絶版となって手に取ることはなかった。初めて読んでみて、重なる所は当然多いがこちらはひとつひとつドイツと比較して、結果的かなり突っ込んだ議論になっている。

加藤の考え方は以下のものだ。聞いたことがあるかもしれないが、今こそ繰り返し主張しなければいけない時だと思う。

戦時下のさまざまな犯罪は、あるいは戦争自体は、日本の社会、文化が生み出したものです。(略)1945年以来、たしかに日本の歴史的社会的文化的条件は大いに変わりました。しかし、まったく変わったわけではない。問題は何が変わり、何が持続しているかということです。南京虐殺を生み出した社会的文化的条件からの離別、戦前の日本社会との断絶に、だれが努力しているか、だれがそうしようとしているか、ということです。それはいまの日本人全体の問題です。(略)残念ながら戦後の日本では、かつての日本の社会的文化的条件を
突き崩してゆこうとする実際的な作業や努力がない。少なくともそれはきわめて希薄です。そしてそのことにこそ、日本人全体の責任がある。(8p〜9p)


我々はいま、その責任のツケを払わなくてならない立場に立とうとしている。そんないまだからこそ、ここの議論の詳細に少し耳を傾けるべきだと思う。

●ドイツでは「頽廃芸術展」や「大ドイツ展」などをしている。日本ではなぜ戦争を賛美した戦時中の絵画の展覧会が開かれないのか。なぜ「禁演落語大会」が開かれないのか。能の「蝉丸」、「大原御幸」も抹殺された。歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」の「せまじきものは宮仕え」が禁止された。
●「なしくずし」に国外で戦線が拡大していくと同時に国内でも体制がファッショ化する。不思議なのは、80年から90年代にかけて言論や思想や政党の主張でも10年前あるいは5年前とまったく逆の言論や主張になって、それに対する弁明や転換の根拠が明示されなかった。しいてその根拠を探れば大勢がそう動いているから。かつては「時局」が使われた。いまは「現実」という言葉が使われている。(←現代にも当てはまる)
●個人としても、戦争犯罪(捕虜虐待や従軍慰安婦)になぜ加わったのか、拒否できなかったのか。そのことを深く考えてみる必要がある。戦後の日本国憲法や労働基準法でも、労働者の意思に反する労働の強制を禁じているのですが、「現実」はそうはなっていない。
●日本人の手による戦争裁判はひとつもない。(←それから20年後の現代でも同様である)

2015年3月11日読了





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年03月23日 11時42分11秒
コメント(2) | コメントを書く


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.