6857000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

ベランダだより 202… New! シマクマ君さん

『「難治の国」ある… New! Mドングリさん

昔語り:船場の末裔 New! 天地 はるなさん

韓国旅行2024春旅3… New! suzu1318さん

ネイルとデザート屋… New! はんらさん

カレンダー

2017年03月18日
XML
カテゴリ:洋画(12~)
今月の県労会議の機関誌に投稿した映画評はこれです。


「レヴェナント 蘇えりし者」
 
   私はこれまで米国と日本のアカデミー賞の主要賞を獲った作品を、その年のマイベスト3に推した事はほとんどありません。それだけ私の映画評は偏っている事を先ず認めます。しかし、映画体験というモノは、一期一会です。人と人が恋に落ちるのと同じように、最終的には相性が合うかどうか、なのです。そして私のように年間129作(去年実績)観るような者でも機会を逸すれば見逃す事が多々あるのです。ちなみに、今年だけは結果としてマイベスト3(あと二つは「シン・ゴジラ」と「この世界の片隅に」)が、日米の主要賞を獲ってしまいました。

  去年のアカデミー監督賞(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)と主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)を獲ったこの作品を初めて観た時に、私の心は震えました。ずっと観たかった映像がそこにあったからです。

  私は映画館で二回観ました。自然光のみで撮ったこの作品、リバイバル上映はまず無いと思ったので、映画館でもう一度観たかったからです。DVDで観る時には少なくとも次のことをお願いします。必ず部屋を真っ暗にして、雑音が無い環境で観ること。私もDVDで試してみましたが、不満はありますが、なんとか伝わるモノはありました。

  シベリアで息子を殺された男の復讐劇というあらすじは、実は大きな意味を持ちません。

  1800年代、人間が自然を破壊する直前、人間の文明が等身大で自然と相対することの厳しさを見事に映し出す作品でした。

  灰色熊と互角に渡り合うディカプリオはすごいです。ここで彼は人間の持つ極限の能力と生命力を体現します。無から火を生み出し、馬を使いこなし、マイナス20度の極寒の地で生き延びる知恵を持ちます。納得の主演男優賞です。しかし、それでも彼が生き延びたのは偶然に過ぎない。キリスト教精神に満ちた隊長の判断と、インディアン族の知恵が示した助け合いが、彼を救いました。人間は、共同体の中でしか生きられないのです。

  一方で、人間は争い殺し合う。ディカプリオの復讐と、酋長の娘が攫われたインディアン族の復讐劇が、同時並行で進みます。人間的な営みを嘲笑うかのように、隕石はシベリア平原に落ち、雪崩は一つの森をなぎ倒すだろう。「人間は野蛮だ」これは見事な文明批判の作品です。(米国2016年作品、レンタル可能)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年03月18日 13時21分37秒
コメント(0) | コメントを書く
[洋画(12~)] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.