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2020年09月19日
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カテゴリ:洋画(12~)

今月の映画評「COLD WAR あの歌、2つの心」

 「冷戦」と題名にありますが、米国とソ連の政治戦争を描いたものではなく、冷戦を時代背景にしながら「あの歌」をずっと耳の奥で聴きながら、男女の「2つの心」を描いたものです。

 1949年から1964年の15年間の欧州、ポーランド、東ベルリン、ユーゴスラヴィア、フランスを舞台にしたラブ・ストーリーです。あえてコントラストのハッキリした白黒映画で描き、一つひとつの場面が写真のように美しく悲しく描かれていました。その叙事詩的な描き方がテオ・アンゲロプロス監督のギリシャ現代史を描いた「エレニの旅」(2004年)を彷彿させ、或いは男女の腐れ縁を延々と描く手法は成瀬巳喜男監督の高峰秀子と森雅之が主演した名作「浮雲」(1955年)を思い浮かばせる人もいます。何れも、場面場面の間に数年の空白があり、それを想像させるように作られています。緊密な台詞と映像と演技があってこそ成立する手法であり、わかりにくいと言う人もいるかもしれませんが、「これぞ映画だ」と私は思いました。

 前置きが長くなりました。

 1949年のポーランドで、ヴィクトル(トマシュ・コット)たちは民族舞踏団を立ち上げます。その中にいたのが歌の上手いズーラ(ヨアンナ・クリーク)で、2人はたちまち恋仲になってしまいます。その時に民族歌謡から発掘したのが「2つの心」で、「オヨヨーイ」という歌詞の繰り返しが何故か耳に残る人気曲でした。冷戦の時代になると、舞踏団は大臣の要請で、ソ連賛美の歌と踊りをする劇団に変容します。ヴィクトルはズーラを誘って亡命しようとしますが、彼女は直前になってついてくるのを止めます。

 離れていると、求め合い、一緒になると衝突する2人の遍歴は、厳しい冷戦の時代に、厳しいラストを迎えます。

 「向こう側へ 景色がきれいよ」という「向こう側」とは、何なのか?ラストの解釈を巡って映画仲間と意見が分かれたりもしました。そういう様々な解釈ができるのも、映画のいいところかもしれません。(2019年ポーランド・イギリス・フランス、パヴェウ・パヴリコフスキ監督作品、レンタル可能)





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最終更新日  2020年09月19日 13時04分33秒
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