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再出発日記

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2006年07月23日
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一昨日私は44年前の文章を拾い出して、
ミサイル問題等、現代の課題に答えているような気がしたので、
少し長い紹介をした。
竹内好「自衛と平和」問題の核心とは何か(前編)
竹内好「自衛と平和」問題の核心とは何か(後編
しかし、書いた後、なんか意を書ききれていなかったような気がするので少し補則する。
お玉さんのところの「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策について
で説得力ある防衛論=平和論を展開している
Looperさんさんからコメントをいただいた。

いやー、凄く先見の明のある方がいらっしゃったんですね。私は、今の中国の変化を見て、北朝鮮もそういう方向に向かわせることに平和的解決の糸口があるんじゃないかという持論を某所で述べましたが、そういった事例がない時代から、そこまで見通せるのは凄いとしか言いようがありません。

過去に戻って未来を見据えた人の意見を聞き、
そこから現代の課題を探ろうとした私の意図を
分かりにくい文章の中から、汲んでいただいた
ありがたいコメントであった。

米中国交、日中国交が成立している現代では、到底考えられないけど、
50~60年代にかけて、米中戦争の危機は確実に存在していたのだと思う。
少なくとも現代の北朝鮮の脅威以上にはあった。
それ以前に、冷戦の時代、第三次世界大戦に近い戦争が起こる危機感は
いまよりはるかに大きく存在していた。
その中で憲法を変え、日米軍事同盟を強化して、
自衛隊を強化する方向をめざすのではなく、
「中国との国交回復を急」ぎ、「朝鮮の平和統一を援助」し、
「国内からは軍事基地をなるべく速やかに除け」ることを目指した
竹内好の願いは果たして現代、果たされたのか、有効なのか、
もう一度考える必要があるのではないか。

私のエントリーの意図はその辺りにあった。

もしベトナム戦争でアメリカが勝っていたなら、どうなっていただろうか。
アメリカと中国は決定的な対立をしていたかも知れない。
日本もとっくの昔に憲法を変えて自衛軍を持ち、対中戦争に備えていたかもしれない。

もし竹内好の言うように、国民が自主的に日中国交回復を成し遂げていたなら
東アジア経済圏はEUよりも先に非同盟中立の緩やかな経済同盟を持ち、
世界で一番豊かな経済圏を確立していたかもしれない。

もちろん歴史に「もし」なんてナンセンスだ。
わたしの「もし」に10も50も綻びはたぶんあるだろう。
けれどもそうやって歴史の可能性を探ることで
見えてくるものは何だろうか。

その時々の軍事力がどうだかとか、政治力学がどうだかとか、
細かいところにはまり込むと見えなくなるものがある。

結局日本は、自分の力で日中国交回復は出来なかった。
だから、アメリカに巻き込まれて戦争を起こす可能性は先送りされたままだ。
「危機」はいつも外からやってきて、外で解決される。
いいかげん、この構造から離れるべきだ。

「しかしわれわれ日本国民は、どうあろうとその対立に巻き込まれるいわれはないし、巻き込まれてはならない。それは「政府の行為によって再び戦争の戦禍が起こることのないように決意」した「主権者たる国民」のとるべき道ではない。」

国民の形成的要件は法律で決まっているが、これは実質とは関係ない。国民の国民たるゆえんは、主権者たる自覚にあると私は思う。したがって国民は、一回的に形成されるのではなく、反復して再形成されるべきものだと思う。

竹内好の言うことは実に単純だ。
二度と戦争を起こすまいと決意した
その国民に、さらにがんばれ、といっているのである。
昭和天皇も、結局そういう単純な思いで、靖国参拝を拒否していたのだろう。

簡単に補足しようと思ったら、繰り返しが多くて長くなってしまった。
申し訳ない。
私に文章力はないけれども、知識はないけれども、
国家と比べると情報収集力は決定的に劣るけれども、
以下のことはいえると思う。
ベトナム戦争、イラク戦争、見通しを誤ったのは、国家であり、
正しい見通しを立てていたのは民衆、戦う民衆であった。
それは20世紀以降の歴史の教訓である。






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最終更新日  2006年07月23日 12時34分21秒
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もうがんばれません   愚樵 さん
問題の核心に迫るシリーズ、興味深く拝見しました。
>竹内好の言うことは実に単純だ
>二度と戦争を起こすまいと決意した
>その国民に、さらにがんばれ、といっているのである
ここがまさに核心であるのでしょう。全面的に同意できます。
けれど、この核心に至って、暗澹たる気分に沈んでいく自分がいます。
戦後60年、この「がんばる」から逃げ続けてきたのが日本人ではなかったのか。
いや、高度成長期までは経済においては「がんばって」きたのかもしれません。けれど、もはや経済の分野においてすら「がんばる」ことをしなくなってしまいました。「がんばる」ことは皆他人に押付け、自分だけが甘い汁を吸おうとする人ばかりになってしまった日本。少数派になってしまった「がんばる」人たちは生きていくことすら難しくなってしまった日本。
とことん堕ちるところまで堕ちるしかないのかもしれません。 (2006年07月25日 06時06分45秒)

Re:もうがんばれません(07/23)   KUMA0504 さん
愚樵さん
真摯なコメントありがとうございます。

>けれど、この核心に至って、暗澹たる気分に沈んでいく自分がいます。

>いや、高度成長期までは経済においては「がんばって」きたのかもしれません。けれど、もはや経済の分野においてすら「がんばる」ことをしなくなってしまいました。「がんばる」ことは皆他人に押付け、自分だけが甘い汁を吸おうとする人ばかりになってしまった日本。少数派になってしまった「がんばる」人たちは生きていくことすら難しくなってしまった日本。

確かに今の労働現場のひどさは凄いものがあると思います。がんばれない……という呟きはもっともです。ただ、経済の分野でがんばるとしたら、労働者ではない。政策を作る人、経済戦略を練る人でしょう。がんばらなければ成らないのは、どれだけ「自覚的な国民」になるか、この一点なのだと思います。
政策の転換を起こすのは国民しか出来ない。本当に憲法を生かす政策、平和で、基本的人権が守られ、文化的で最低限の生活を送ることの出来る、そんな政策が出来る政府にしなくては成らない。そこだけ国民が、がんばればいいのです。

>戦後60年、この「がんばる」から逃げ続けてきたのが日本人ではなかったのか。

けれども、それが一番難しいということは、その通りだと思います。60年のときで知識人たちはそのことに気がついていたから、竹内好は「国民は、一回的に形成されるのではなく、反復して再形成されるべきものだと思う。」といったのでしょうし、丸山真男も、「現実主義よりも、民主主義の理想に賭けたいと思う」(不正確、うろ覚え)といったのだと思う。でも希望はある。私はそう信じています。
(2006年07月25日 07時00分45秒)

まだ道半ば   Looper さん
望外のとりあげをしていただき、嬉しくも恐縮しています。

竹内好氏の目指した、「朝鮮の平和統一を援助」し、「国内からは軍事基地をなるべく速やかに除け」るというのは、現代の課題でもありますね。
この東アジア地域の安定平和を目指すなら、この課題は避けて通れません。そして、日本国民には、安保条約と米軍基地をなくす責任があります。まだまだ、道半ばという気がします。

ただ、ASEANの動きや東アジア共同体構想なんかを見ると、その方向の芽は十分にあると感じます。そして、その成功のためには日本外交の転換が不可欠なんですが… 

ここでどうも行き詰っちゃうのが辛いとこです。
(2006年07月25日 14時00分18秒)

Re:まだ道半ば(07/23)   KUMA0504 さん
Looperさん
>望外のとりあげをしていただき、嬉しくも恐縮しています。

いやいや、今日見てきましたが、上記エントリーでのコメント欄でのお付き合いご苦労様です。私は近視眼的なコメントが来ると、うんざりするタイプなので、とてもあんなふうに丁寧に付き合うことなんて出来ません。ホント尊敬します。

>ただ、ASEANの動きや東アジア共同体構想なんかを見ると、その方向の芽は十分にあると感じます。そして、その成功のためには日本外交の転換が不可欠なんですが… 

ホントその通りで、むかしはその芽もなかったことを考えると、今のほうがまだいいかもしれない。でもその芽を作ったのは日本ではないのですが……。

>ここでどうも行き詰っちゃうのが辛いとこです。

無理もないことです。これだけはいくら正しい方向を知識人が出しても、戦後60年方針転換できなかったことです。「国民の再形成」しか道はない。

(2006年07月25日 23時33分43秒)

Re[1]:まだ道半ば(07/23)   Looper さん
>私は近視眼的なコメントが来ると、うんざりするタイプなので、とてもあんなふうに丁寧に付き合うことなんて出来ません。

実は、うんざりしてます。どうして「制裁」がどうのこうのなんてどうでもいいことを議論したがるのか分かりません。そんな目先の話をしてないんですけどね。それでもなるだけ書いてるのは、ROMしてる人を意識してるからでしょうか?

ただ、KUMA0504さんはじめ何人かの方は、私の主張の根っこをちゃんと理解してくれているのが救いです。

> でもその芽を作ったのは日本ではないのですが……。

そうなんです。この分野では、フィリピン、マレーシア、シンガポール、中国なんかの活躍が目立ちますね。もちろん中国は、米の介入をアジアから排除したい目論見をもってやってる。それに比して、日本の外交は戦略ゼロ。もっとも今の政府なら何もしないほうが他所に迷惑かけなくていいかも…

国連やラテンアメリカ諸国の米支配からの独立の動き、EUの成功などを見ると、日本の平和憲法の立場は世界では広がってきてるのに、その日本が世界の流れから一人取り残されてる…

「中国脅威論」で凝り固まって、世界から目をそらしている場合じゃーないんですけどね。
(2006年07月27日 16時52分22秒)

Re[2]:まだ道半ば(07/23)   KUMA0504 さん
Looperさん
>実は、うんざりしてます。どうして「制裁」がどうのこうのなんてどうでもいいことを議論したがるのか分かりません。そんな目先の話をしてないんですけどね。それでもなるだけ書いてるのは、ROMしてる人を意識してるからでしょうか?

本当にご苦労様です。
どうやらやっと彼らは下を向いて去っていったみたいですが……


>そうなんです。この分野では、フィリピン、マレーシア、シンガポール、中国なんかの活躍が目立ちますね。もちろん中国は、米の介入をアジアから排除したい目論見をもってやってる。それに比して、日本の外交は戦略ゼロ。もっとも今の政府なら何もしないほうが他所に迷惑かけなくていいかも…

日本の外交力ゼロというのは、たぶん過去を見つめないからだと思います。中国は本当にしたたかですね。やはり歴史を大切にするからでしょうか。


>国連やラテンアメリカ諸国の米支配からの独立の動き、EUの成功などを見ると、日本の平和憲法の立場は世界では広がってきてるのに、その日本が世界の流れから一人取り残されてる…

ラテンアメリカからあと5年くらいで一挙に世界が変わったりして……でも日本はついていけないのだろうな…… (2006年07月28日 00時31分33秒)

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