今日、何読んだ？

LAST　東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤　了 ]

　はい、泣きました。
　このシリーズは、間違いなく名作です。
　恐るべし内藤了。
　前読、TRACE、が著しく物足りなくて、次作である本作が、LASTというわけは、私の予想どおり前読が次作の伏線だったからだ。
　過去と現代を行ったり来たりするいわゆるタイムマシンものは、決着をつけるのが実に難解だ。
　何しろ過去を変更させれば、未来が傷つくもの。
　そこの実に難解な点を内藤は、巧妙に決着をつける。
　みごとだ。
　このシリーズ、Kindle Unlimitedに一気放出でなかったものだから、先に読んだ話は記憶がかすれてしまった。
　たしか永田という、柏村巡査が刑事時代のかつての後輩が何かしらやばい犯罪を行ったということは覚えていたが、その結末の塩梅もまたみごとだった。
　昭和30年代と令和1ケタでは実に60年以上のタイムギャップがあるわけだが、そこのところが実に素晴らしいつなぎ方がされていて、読み手は驚くほかない。
　そして堀北恵平は、なんと、あの藤堂比奈子の班に配属されたのだった。
　その自作に対する愛情もまた好ましい。
　さあ、今度は藤堂比奈子のシリーズを読了するぞ！
　これだけの素晴らしい話をシリーズ化して紡ぎ終えた内藤了は、五祖東野圭吾の後釜にふさわしい。
　私は、本日をもって内藤了を六祖とすることにした。（4/6記）