テーマ:最近観た映画。(40126)
カテゴリ:映画・宝塚・観劇
楽しみにしていた映画『エリザベス ゴールデン・エイジ』は、1998年の『エリザベス』の続編。
以下は、内容を知りたくない方は、お読みにならないで下さいね。 前作は 1554年(離婚・斬首・死別を繰り返し6人の王妃を持った)ヘンリー8世の崩御から始まり、旧教徒である姉のメアリー女王(ブラッディ・マリーはこの人。よく混同されますがスコットランド女王メアリー・スチュワートとは別人)に投獄される等の危機をかわし、25歳で即位したエリザベス1世のいきいきとした若き日の姿が描かれていました。 髪を切り顔を白塗りにして過去を捨て「英国と結婚した」と宣言する衝撃のラストは胸を打たれる神々しさがありましたね。 今回は 1585年からスタート。 女王は 52歳ですが、一人の魅力ある男性に心惹かれるようになります。 とはいえ、女王の立場では好意以上のものは示せない。そこで…と、女王の危うい心の均衡を保つためのかけひきが、他の人をも巻き込んで行われていきます。 (こんな話ありえな~い!と思ったのですが、なんと、ある部分は史実に基づいていました。事実は小説より残酷です。) 一方では歴史が動き、いよいよ1588年インヴィンシブル・アルマダ(無敵艦隊)との全面対決に。 このお話は、女王の公私二つの軸で描かれていきます。 「QUEEN ELIZABETH I」(部分)Marcus Gheerearts the Younger [NATIONAL PORTRAIT GALLERY] 私はこの時代が大好き。 フランス宮廷のような華やかさはなく、陰謀が渦巻き、暗殺の危機と隣り合わせの混迷の日々が続く英国。 父である国王に母を斬首されるという暗い過去を持つヴァージン・クイーン。 長引く二つの宗教の対立、強大なスペイン艦隊の脅威がかもし出す緊張感など、幾重にも重なり合った宮廷を覆う暗い影を振り払うかのように孤軍奮闘するエリザベス1世の姿に、英国が世界の一等国へと一気に駆け上がっていく勢いを感じる、そんな時代ですね。 先日観劇した宝塚歌劇星組公演「エル・アルコン~鷹」も、この頃のお話。 (とうこさんが、ダーティーヒーローを美しく魅力全開で好演♪ 演技の良さに反し、優れた原作を生かそうとした詰め込みすぎの脚本で、DVDを倍速で見ているような落ち着かなさが残念…) 今回のこの映画のヒロインエリザベス1世は、前作に引き続きケイト・ブランシェット。その成長(進化?)ぶりには驚きました。 テレビのスポットCMで目にしていましたが、豪華な衣装・奇抜な髪型&髪飾り・白塗りのメイク…。それに負けることなく、迫力ある堂々たる女王ぶりをみせていたのは本当に素晴らしい。 ただ惜しいことに、女王があまりにも堂々としていたのと豪華絢爛なスペイン宮廷が描き足りなかったせいで、この時代の「世界の一等国で絶大な力を誇るスペイン」と「弱小国イングランド」との大きな違いが伝わってこなかった!残念。 スペイン大艦隊が攻めてきた時の女王の慌てぶりで、観客はようやく大変な事態だと悟ります。 無敵艦隊を打ち負かすことは、万に一つあるかないかの奇跡。 桶狭間で、2万5千の兵を持つ今川義元が、わずか3千の信長に討たれた時のようですよね。 イングランド兵を鼓舞するため白いマントに銀の甲冑姿で白馬に乗って現れた女王。 映画「茶々 天涯の貴妃」で淀君のたかこさんが黒い鎧を着て馬に乗って現れた時には(淀君って馬に乗れるの!?)と仰天しましたが、エリザベスはちゃんと前に乗馬のシーンがありましたので納得です。 無敵艦隊を打ち破るシーンは…意外にあっけなく、迫力があるのに物足りなく思えたのが残念です。 「Robert Dudley,Earl of Leicester dancing with QUEEN ELIZABETH I」(部分) [PENSHURST PLACE] 微妙な場所に手を置いて、女性を何度も宙に持ち上げる怪しげな雰囲気のダンス“ヴォルタ” ケント州のペンズハースト・プレイスを訪れた時に、この“踊るエリザベス1世”の絵に出会い、興奮しましたね~。女王様、本当に踊っている☆ 映画と同じ!軽やかに宙に浮いています。 若き日の女王のダンスのお相手は、レスター伯ロバート・ダドリー。 今回の映画でも、ヴォルタのシーンはありますが、そこでウォルター・ローリー卿と踊るのは、女王ではありません。切ないシーンです。 ペンズハースト・プレイスには、お城の中にエリザベス1世の部屋も残されています。美しい庭園も有名。 エリザベスの永遠の仇敵スコットランド女王メアリー・スチュワートは、映画では少しイメージと違いました。 生後6日から王冠が当然のように頭上にあった気品、若い頃フランスで育ち、短い間でも王妃であった優雅さ、執拗にエリザベス暗殺を企む執念深さなど、屈折した思いを表すには描き足りなかった感が…。 誰かに何かをしてもらうのが当たり前の環境に育ち、現在の苦境は全てエリザベスのせいだと逆恨みをするメアリー。 すらっと背が高い、常人離れした氷の美貌の凄み…を求めたかったですね。 この映画は、背景を知れば知るほど面白くなるマニアックな楽しみ方もありますが、ざっと歴史を頭に入れておけば、前作を知らない人も楽しめます。 エリザベス1世に興味がわいた方は、さあ劇場へ! 「エリザベス」DVD 「エリザベス ゴールデンエイジ」サウンドトラックCD ヘンリー8世 英国史は面白い!と思われたら ↓を押して応援して下さいね☆ いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓ 《ガレットのお菓子日記》(楽天)Homeへ エリザベス:ゴールデン・エイジ@映画生活 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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