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カテゴリ:読書(フィクション)
「8号古墳に消えて」創元推理文庫 黒川博行 私はもともと考古学ネタは推理小説になる、と思っている。考古学というのは物証の学問である。ブツが無ければ、一歩も進まない。しかも、たった一個の魚の小骨から、当時の食生活から、流通経路まで推理するのが考古学という学問なのだ。(「環境考古学への招待」参照)ところが推理小説のなかに考古学ネタがあまりに少ない。というところで、ふとこの本に行き当たった。 うーむ、本心はがっかりである。作者はよく勉強していると思う。いやいや全然発掘作業に詳しくない私なので、えらそうなことは言えるはずも無いのであるが、私の本心としてはやはり考古学者が探偵役になってほしかった。この大阪府警の黒まめコンビはシリーズ物らしく、「地どり」の最中にも喫茶店にたむろしてはサボる描写など全然推理小説の主人公らしくなくて面白い。ただ、結局トリックにしろ、考古学的遺物に語らせる部分がほとんど無くて、絶対考古学でないとだめということでなかった。 民俗学者の八雲が探偵の主人公として活躍するくらいだから、ぜひ考古学者も主人公になるシリーズ誰か作ってくれないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私のトップ右横からコピペします。
その時の感想: 黒マメコンビ大3作。大学や考古学業界?の足の引っ張り合いや土地開発と文化財保護のからみあい、いかにもありそう。この本で、初めて知ったのは、卑弥呼はたくさんいたかもしれない、卑弥呼は呪術師の職業名ないしは、祭祀者の地位の名かもしれないということ、天皇制の初期において、一家族系統のみが世襲していたのではなく、いくつかの権力者が回り持ちだったかもしれないということ。黒川さんの本を読んでいると、関西弁というか大阪弁が伝染ってしまいそう。んで、あやなママには、「最近ポンボさん、がらが悪くなった」って言われる始末だしぃ。 (2006年04月06日 14時54分45秒)
面白かったのは、
「黒い春」 著者 : 山田宗樹 出版社: 幻冬舎文庫 2005.10.15初版 \760 感想 : 2005.11.3日記に記載 私の感想は、もし、本をお読みになられるなら、先に目を通されない方がよいと思います。 (2006年04月06日 14時58分45秒)
巴里雀さん
>松井先生って岡大ですか? >たしかお嬢さんが職場体験でいらしたように記憶しています。 ----- うーむ、どうなんでしょう。 一応履歴を見ると、松井章で、奈良文研に所属しているみたいです。ただ、岡大考古学研究室は時々ものすごい有名な教授が来ることがあります。近藤義郎名誉教授の影響でしょうか。戦争考古学のホープ松木武彦、稲のプラントオパールを発見した高橋護、山田晶……。近代思想史もすごいですよね。ひろたまさきに中江兆民研究で有名な……えっと忘れました(^^;) 松井氏も、もしかしたら去年くらいに転勤してきたのかも。 (2006年04月06日 21時49分33秒)
ポンボさん
>私のトップ右横からコピペします。 >その時の感想: >黒マメコンビ大3作。大学や考古学業界?の足の引っ張り合いや土地開発と文化財保護のからみあい、いかにもありそう。この本で、初めて知ったのは、卑弥呼はたくさんいたかもしれない、卑弥呼は呪術師の職業名ないしは、祭祀者の地位の名かもしれないということ、天皇制の初期において、一家族系統のみが世襲していたのではなく、いくつかの権力者が回り持ちだったかもしれないということ。黒川さんの本を読んでいると、関西弁というか大阪弁が伝染ってしまいそう。んで、あやなママには、「最近ポンボさん、がらが悪くなった」って言われる始末だしぃ。 ----- 読書ノートご紹介ありがとうございました。 ヒミコの名前の世襲制というのは、私もこの本を読む前から思っていたし、小説の習作にも使わせてもらいました。(ヒメミコ様というのが出てくるんです。)黒豆コンビ、初めて読んだけど、おもろいですね。肩が凝らん読み物なんでまた読んでみとお思いまっさ。(だっだめだ。にわか関西弁は使えへん^^;) 「黒い春」については、また機会があるとき探して見ます。 (2006年04月06日 21時57分24秒) |
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