今日、何読んだ？

津波、噴火…日本列島地震の2000年史／保立道久／成田龍一／北原糸子【2500円以上送料無料】

　あの巨大地震のような地震は、平安時代にもあったという。

保立道久

　2011年3月11日午後2時46分、平成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震が発生した。
　世界歴代4位のマグニチュード9.0の超巨大地震で死者行方不明合わせて2万人近い犠牲者が出た大惨事となった。
　その多くは巨大津波に呑まれた犠牲者で福島第一原発震災が今もなお継続中である。
　 東日本大震災後この超巨大地震の津波が貞観巨大地震津波の再来であることが広く知られるようになった。

　1,000年以上の時を超えて起きた超巨大地震。
　それに恐怖の原発事故も重なり、今もって復興の感覚には至らない。
　２万人近い犠牲者とは、本当にとんでもない数で、それに原発の被害者も含めれば、甚大な数になる。
　ところで、このような犠牲者をなくすことはできなかったのだろうか。
　特に津波の犠牲者は、昔から、「津波てんでんこ」と言い伝えがあり、そのとおり逃げた方は助かり、誰が判断したのか、その場に残った方は、津波に呑まれてしまった。
　いまさらながら、当時の学校等を遺構として残すとか、中を公開するか否かの議論をしているのを見ると、この地震についての他人事感が否めない。
　50年、100年経った時にも今のような緊張感、危機意識があるかどうか、それが問題だと考える。