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カテゴリ:小説
福家警部補の挨拶【電子書籍】[ 大倉崇裕 ] まあそれにしてもまれな推理小説家の作品を今まで知らずに生きてきたのは残念なことだ。 確かに立花隆が小説を読んでいる暇がないという知的態度は正しい。 さりとて読んでみてほーっと思える小説があるのに読まないのはそれは本読みとして邪道だ。 などと思い始めている。 というよりも、定年退職してフリー化した私は時間が足りないなどということがなくなり、小説も読めるようになったのだ。 さて本シリーズであるが、福家警部補という女性が主人公である。 イメージは黒ずくめのスーツに縁無し眼鏡、ちょっと小さめの女性だ。 「市田さんは、朝つけてみて初めて故障に気づいたそうです。ところがあなたは、ここに入ってくるなり、空調が壊れているとおっしゃった。どうして、そのことをご存じだったのです?」 などというのは、倒叙モノのクライマックスだ。 福家はあっという間に犯人を割り出す。 しかし物証と動機が定まなければ犯人とは言わない。 そのためにはトリックも辞さない。 えげつない。 さて著者であるが、ミステリーとしては申し分ない。 しかし、警察のことについて知らなすぎる。 そこがネックだ。 私はそれを取材力と言っている。 あのね、警察バッジとは言わないの。 警察手帳です。 警部補は捜査の責任者たりえません。 ところで犯人は、必ず何かを残し、結局福家からそれを指摘されて万事休すなのだ。 福家を警察官にする必然性があったのかなあ。 名探偵蜜柑花子のようなキャラで良かったと思うのだが…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.10.09 05:00:08
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