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2021.05.30
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カテゴリ:歴史
​​​アマテラス・サーガ 榊正志

 本作は、小説なのだが、日本古代史に関し正確な記述が多く、私は敢えて歴史のカテゴリーに入れた。
 次の一文は、まさに日本古代史の肝を突いている部分である。
 「(略)ここで私が問題提起させていただきたいのは、日本の神話が少なくとも三度にわたり支配者によって書換え、もしくは改ざんされてきたということです。
 一度は、継体天皇がたてられ、『古事記』、『日本書紀』が編纂されるまでの約二百年間。
 明らかに皇統は継体天皇前後に断絶があります。
 そして二度目、六四五年の乙巳の変、そして時を同じくして行われた国書やその後の各地の風土記の消失、もしくは隠滅。
 そして三番目は、明治政府による国家神道です。皇統は国家権力によって強力な神となり、ゆがみを生みました」
​ 天皇制について、女性だの女系だの言っているけれど、一体どれくらいの人が正確にその論点を掴んでいるのだろう。
 メジャーな女性週刊誌でさえ、ただただ女性天皇云々と言ってその真相を理解して記事を書いていない。
 当然記事をデスクがチェックしているであろうから、そのデスクですらこの女性、女系の話を理解していないのだ。
 これらの天皇は天皇に即位されてから、寡婦もしくは未婚を貫き(道鏡事件などのスキャンダルもあったが)、天皇家以外の男子の血(遺伝子)が入ることを守ってきた。
 女系天皇は、皇后の家系につながる男性もしくは女性が皇位につくことを意味しており、後者は男系遺伝子が絶える、言い換えれば別の男系の家系が皇統に入り込んでしまう、ということを意味している。
​ とただそれだけのことなのだ。
 それが正しいのかどうかは、先に抜書きしたとおり、3回もの捏造が疑われるのだということ、このことを明らかにせぬまま女性だの女系だの言うわけには行かないということ。
 この3回の捏造の間、天皇家の男系が成立しないことが証明されたら、これは男系を諦めなければなるまい。
 それすら証明せぬまま、女系を認めたら、それは日本固有の文化を失うことになる、そういうことなのだ。
 あー、それにしても、本作は、月読尊と卑弥呼が恋仲だったことから始めて、それを傍系にして、無理に誘拐事件を作り、そこになんだか知らないが武器まで出して、そして、警視庁長官、などという新たなポストまで作り出し、一色云々という女性刑事まで出しながらその刑事が全く作用しないという、小説としては下の下、読んで悔しい思いをしたのだった。
 警察に関する取材ができないのなら、書かなければいい。
 警視庁のトップは警視総監、警察庁のトップは警察庁長官、これくらいは最低覚えておいてほしいものだ。
 無理に話を作ろうとするから、それこそ著者自身が言う捏造そのものではないか。
 その結果冒頭の歴史論が根っこから信頼ならないものになってしまうのだ。
 そしてこの著者の最悪の欠点は、文章力のなさだ。
 それでも付き合えたのは、冒頭のしっかりした日本古代史論があったからだ。
 下手な小説にはあまり付き合いたくないな、それが今回の偽らざる感想だ。





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最終更新日  2021.05.30 06:59:51
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