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カテゴリ:歴史
昭和史七つの謎と七大事件 戦争、軍隊、官僚、そして日本人【電子書籍】[ 保阪 正康 ] ズバリ昭和天皇の責任はどこにあるのか。 開戦を決めたのはごく少数の官僚であり、それを天皇が追認したわけだ。 同様、終戦も天皇が追認した。 本書を読むことで、この昭和天皇のベールが剝がされる。 それを読み手がどのように感じるかは自由だろう。 でも著者が天皇憎しで天皇反対に読み手を誘導しているものではない。 明らかな事実を白日にさらしたものと言えよう。 少なくとも現代で、天皇が現人神だなどという人は一人もいないけれど、少なくともあの時代、つまり、明治、大正と来て昭和の、本書で著者は、昭和も戦後という新たな年号があると考えるべきだと主張しており、それは全くその通り、明治から昭和までの間、日本国民は、天皇を現人神だと本当に信じていて、だからこそ、あの戦争に駆け込んでしまった、という著者の、本書にはっきり書いていない主張は、私はその通りだと思う。 さらに著者は東条英機の卑怯さにも言及している。 曰く東条は、国民に根性がないからこの戦争に負けたのだ、とほざいたそうな。 そういう一面がこれまで語られてこなかったんじゃないのか。 それで、戦犯も普通の英霊も靖国に祀られて当然だという論理がまかり通っていたのだが、こと東条に関しては、まさに戦犯、靖国に祀られるべき英霊ではなかった! 先の東条の言を著者は、論理的に破綻していると評価する。 永遠の国家観を持つものが、根性をもって戦争を論じていたら、その国家が破綻するのは目に見えているのだから、つまり戦争根性論、戦争で参った言わない論は、論理的に破綻しているというのである。 全くその通りである。 このほか、皇国史観に基づく2.26事件の真相、その際の天皇の言動、昭和45年11月25日の三島事件の論理等本書は実に面白い歴史論だった。 昭和史を専攻するものが一読すべき書である。(10/17記) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.01.03 05:00:09
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