今日、何読んだ？

　ここまで書いてきて気がつくことだが、私の読書の一番の特徴、従ってこのページの特徴は全部通読が基本的必要条件となっている類の本を読むことが少ないということである。
　それはどういう本かと言うと例えば長編小説ミステリーなどエンターテインメント系の本ノンフィクションでも時系列の筋書きに沿って書かれその筋書きを追わないと途中で訳が分からなくなるものなのである。
　若い頃は私もそういう本を読まないではなかったが歳をとってからは基本的にそういう本は読まなくなった。
　第一に日常の生活が忙しくてそういうタイムコンシューミングな時間ばっかりくってしょうがない本に付き合っている暇がないからである。

　読みにくい本を何とか読んでしまう知的テクニックがないかといえばないことはない。
　基本的な知的テクニックの第一歩はその本の構造をつかむことにある。
　一般に本はパラグラフ（段落）単位で書かれていてパラグラフが いくつか集まって節や章になっている。
　著者自身がそのような章、節に分けていない場合でも構造的にはそうなっている。
　いわば本はパラグラフ一つ一つを煉瓦として積み上げられた建造物のような構造をしている。
　煉瓦がいくつか集まってブロック（節）を作りブロックがいくつか集まって局部構造体（章）を作っているわけだ。
　その全体構造（←局部構造体←ブロック）を見抜けということである。

　大体の本の流れがわかったらもう一度頭に戻る。
　その段階でその本がダメな本とわかったらあるいは今の自分にはとても歯が立たないほど難しいと分かったりあるいは作者と自分は考えが全く合わないなると分かったら頭に戻らずそれ以上その本を読むのをやめるのが良い。
　本をたくさん読むために何より大切なのは読む必要がない本の見極めをなるべく早くつけて読まないと分かったらその本は断固として読まないことである。

　もう一度そのコツだけ述べておくとコツはとにかく頭から終わりまでとりあえず続き具合がよく分からなくてもパラグラフ単位で飛ばし読みをして強引に目を通してしまうということにある。
　まず終わりまで行ってから2度目の読みはどうするかを考える。
　始めから終わりまでちゃんと逐文章的に読もうと思って読み始めた本でよくあることだが途中で挫折しそうになったら途中でこの方法に切り替えてとりあえず強引に終わりまで行き着くというのも良い。
　終わりまで行き着いてみたらその本はそんなに精密な読みをする必要がない本だということに気がつくかもしれない。
　要するに私が言いたいことは本は必ずしも始めから終わりまで全部読む必要はないということである。