テーマ:スイーツ★スイーツ(13053)
カテゴリ:パティシエのお菓子
渋谷の東急東横店デパ地下の東急フードショーで行われたイベント、デセール・ドゥ・ラ・プライム 2008で、パティスリースリール 岡村シェフの、ブランマンジェをいただき<前編>、幸せ気分に浸っているはずが…。
物静かな岡村シェフに圧倒され、気軽に話しかけることができず、カウンター越しに非常~に緊張感の漂う時間を過ごしてしまった私です。 せっかくの機会なので意を決してシェフに話しかけ、なんとか少し説明していただけましたが、食べ終わるとすぐ次の皿が目の前に現れました。 後ろに大行列が控えていたわけではないので、もう少しゆったりとしたペースでいただきたかった気が…。ブランマンジェの余韻に浸る時間が足りなかった サブレ ア ラ クレーム オ ポンム ロティ 1,365円 ああ!これぞデセール! 品格あるその姿。 美しさに思わず見とれ、慌てて写真を撮っていると「熱いうちにお召し上がり下さい」との声が。確かにカメラを構えている場合ではありません。急がなくては! 「上から下までをいっぺんに食べて」の声の通り、大胆にざくっと大きくとり口に運びます。 一瞬のうちに美しい姿は崩れますが、それがデセールの醍醐味♪ そしてお味は~。 ばくっ。。。…うわ~っ、幸せ まず最初に脳に響くのは、間に入った薄いサブレのサクサクサク…という食感。 心地よさを感じた次の瞬間には、フォークの隙間に入るほどの小さい角切りフルーツ、特に皮つきリンゴの爽やかなシャキシャキ感が迫ってきます。キウィと思う他のフルーツ(後で調べるとゴールデンパインも)と一緒だから尚更このリンゴが引き立つのかも。 これと全く同時に、口の中では青リンゴのソルベの口当たりのよさ&冷たさ、バニラ味のしっかりしたアイス(のような…でもアイスクリームではないような(?))の冷たさとソテーした熱々リンゴの対比が一度に迫ってきました~! 美味しい。美味しい、美味しい、美味しい~っ! おいしい!という言葉では言い尽くせません。すごい。 そして、ワンテンポ遅れ、上の極薄切りリンゴのチップをかじると、気持ちよいほど乾燥していてパリパリパリッと崩れてくれます。 この感動は、お伝えしなくては。 少し(かなり)興奮気味のまま、食べながら、シェフに支離滅裂な感想をお話しました。 すると岡村シェフは、このデセールの大切なポイントについて語って下さいました。 「上から下までをいっぺんに食べ、全部が一緒になった時のことを考えて作っている。分解して食べても美味しくない。」 …パーツパーツで分解して食べるのは意味がない、とおっしゃっていました。 ここでデセールの美味しさにぼ~~っとして混乱していた私は、超・おマヌケな質問を。 私、本当にこのデセールのことを何もわかっていなかった! 最初の一口の驚きの後、周りに美しく飾られているソースを添えてみました。このソース、どこかで食べた記憶があります。 このきれいな 透明感のあるピンク色のソース は何?…思い出せない。 ↑今、これを読まれている方が「そんなの決まってる~。嫌だ、ガレットさん、どうしてわからないの?ありえない。」とパソコンに向かってつぶやいている姿が目に浮かびます。ああ、恥ずかしい~! そう、私はシェフに「これは何のソースですか?」と質問してしまったのです。 シェフはかなりガックリされたと思いますが、しっかり説明して下さいました。 先に言い訳させていただくと、先日スリーズフランベを作った時に、今の時期はサクランボよね~と思ったり、ピンク色で酸味のないソースって、今の季節、何の果物?と迷ってしまいましたので…。 根本から私、考え方が違っていました。 恥をかいてでも、お聞きしてよかったです。 答えは、もちろんリンゴのソース。 リンゴの中で普段捨ててしまう部分には、実は最も旨みが凝縮されているため、あわせて煮詰めてソースを作るときれいなピンク色に。 あ!思い出した!恩師西原金蔵先生の薄焼きのタルト・オ・ポンムの時に習ったことがあります~! 「一つの物にたくさんの味をいれるのが好きでない。」 この言葉をお聞きして、はじめてこれが、リンゴのデザートだと気づいた私。 いえ、何をいまさら、と言われるのは重々承知ですが、単純に焼いたリンゴと青リンゴのソルベ、熱さと冷たさの対比の妙、とだけ考えていたのです。 パリパリ薄切りリンゴチップも、単なる飾りではなく、これはリンゴのチップである必要があり、青リンゴのソルベはもちろん、角切りフルーツの主役はやはり角切りリンゴ。ソテーした熱々リンゴの存在感に負けず、全てをまとめあげるのが、リンゴのソース!…この時、初めて理解しました。 「ソースは飾りじゃない。」 「ソースがついていない肉も魚も美味しくない。サラダもドレッシングをつけて出しますよね。」 ううう~!深い! 一皿のデセールでリンゴを表現するのに、5つの全く違った形でリンゴを使っていたとは! その中で最も大切なのがリンゴのソースだったとは~。 参りました こちらからお聞きしたら岡村シェフは、しっかりお話して下さいました。 お店でデセールを出されることは考えていないのですか、という問いには、 「本当に美味しいデセールを出したければたくさんのスタッフが必要。テイクアウトをやりながら今それはできない。」 「逆に、本当にいい物を知っているから、落としたくない。」 最高級のホテル、レストランでお仕事をされ、最高級のデセールを知り尽くした岡村シェフだからこそ言える重みのある言葉ですね。 中途半端なデセールなら出したくない。納得のいくものでないと出せない。 …ということは、今回、二日間限り参加されたこのイベントは、本当に貴重な岡村シェフのデセールがいただける機会だったということ! ああ、やっぱり来てよかった! もしかして…シェフは無愛想なのではなく、「いかがですか?」と言葉で聞くかわりにお客さんのデセールをいただいた時の反応を目で見て、笑顔で夢中で食べているその姿に満足されるタイプなのかもしれません。 後日、私が尊敬するお菓子・グルメ界の大先輩にメールでこのお話をしましたら、「岡村シェフはシャイな方」という表現が。 なるほど。その言葉が私の印象とあまりにぴったり合ったので、不思議です。気難しい芸術家という第一印象は、今はどこにも残っていません。 というわけで、最初の凍りつくような時間のことを忘れ、すっかり岡村シェフのファンになってしまった私。 帰るまでには控えめながら笑顔も拝見でき、幸せな気分でデパ地下をあとにしました。 今度はお店に行かなくちゃ! sourire = 微笑み パティスリー スリール Pâtisserie Sourire 目黒区五本木2-40-8 03-3715-5470 営業時間 10:00~20:30 定休日 : 水曜日 イートイン6席 東急東横線学芸大学駅より徒歩7分 タルトの多様性 岡村尚之 2,625円 送料無料 スリールに行かなくちゃ!と思う方は ↓を押して応援して下さいね☆ いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓ 《ガレットのお菓子日記》 Home へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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