今日、何読んだ？

​​​​鎌田茂雄　一遍大地を往く


​　一遍浄土教は

　一遍が見出したのは不二の名号でした。
　名号の中に仏も溶込み，救う者も救われる者もない絶対の名号です。
　このような不二の念仏こそ絶対の念仏です。
　名号が名号を聞くとか念仏が念仏申すという一遍の表現こそこの不二の名号のことを言葉で言い表しているのです。

​​​というように名号こそ全てであるということがポイントである。
　この名号を称えることで誰でも往生できると言う。
　往生とは
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　永遠の旅路に比べると，この生きている間はなんと短いことか。
　それは100年生きたとしても，一瞬に過ぎないではありませんか。
　それに反して死して生きることは永劫です。
　往生ということは往きて生きることです。
　あの世に往くのが臨終であり，往きて生きるのが往生なのです。
　次の生をあの世において生き続けるための出発点が実は臨終であり…（略）

​​とあの世において生き続けることなのだ。
　そのために名号を称えることという。
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　名号を称えれば，必ず往生できるというのが一遍の信仰の究極です。
　称えれば必ず往生できるのです。
　念仏さえ称えていれば，往生したくない，往生しなくても良い，と思っていても，必ず往生するのです。
　ちょうど物に火をつけると，心の中で，焼くまい，焼くまい，と思っていても，焼けてしまうようなものです。

​​　いかに称名念仏の重要なことか。
　人生観は，大きく転換されてしまう。
　今人として生きている我の行き先はなんとあの世。
　そこで未来永劫生き続けることになるというのだ。
　それが往生ということ。
　臨終に当たれば，それから長い旅路が始まるというのだ。
　さてこの点の信心のポイントは２点。
　阿弥陀仏が存在する根拠。
　あの世が存在する例示。
　阿弥陀様が現にいらっしゃることが証明されれば，自ずとあの世が存在することも明らかになることである。