|
カテゴリ:読みきかせ・表現よみ(音読・朗読)の工夫
これまで、2回、子どもの読解例を出しました。
・・・・・・・・・・・・・ すすきがまた、銀色の旗をふり、父ちゃんが戦地から帰ってきた。 父ちゃんは、小さな箱だった。 ・・・・・・・・・・・・・ のところでは、次のような読解をご紹介いたしました。 ********************* ノリオを柱とした読解 呼ばれて帰ったノリオの前には、写真の中に入ったノリオの父ちゃんのだけ。 ノリオは、箱になちゃったとでも感じているのか。 よく分からないけど、暗く、悲しいく、うつむいている感じが伝わる。 みんな、どうしちゃったのと不思議そうに見ている。 ススキが、お帰りろいうように旗をふる。 呼ばれた時、あ、父ちゃん?と、あたたかさしか覚えていないノリオは、始め、だれかなと、思っていた。 じいちゃんの前に「?」と、首をかしげていた。父ちゃんの写真を見たり、じいちゃんを見たりしていた。 **************** この例のような読解の理論が1939年(『読書の心理』41p・昭和14年、武政太郎・培風館)で、すでにあったことをここでは、ご紹介、致します。 「読んで理解する心的過程は、客観的精神(思想)すなわち客観的意味を運戴しているところの社会的民族的言語記号すなわち文と、文を読む主体の活動とが体制化する過程である。 ・・・・中略・・・・・・・・・・・・ したがって、よき体制を生じた時には、よき理解が生じ、それによって読む主体はよりよく啓発され覚醒される。・・・・後略・・・・・ *戦前にこのような著書が出版されていた事を知って、僕は、驚きと共にその研究の深さに感銘いたしました。あまり知られてないように思いますので、ご紹介いたしました。 この後、第2次世界大戦に突入し、『大東亜言語建設の基本』(国民文化研究所編・畝傍書房・1943年)などが出版され、このような読解の理論は無視されていったが。 しかし、『読書の心理』は、『日本精神の発揚と国語教育』(厚生閣版・1934)ガ、出版された翌年発刊されているのである。一方では、武政太郎とは、逆の論が展開されていた中である。 このような読解の論のあれこれは、まったく同じ形ではないが、現在でも起こっている。 ***************** ランキングに参加しています。 よろしかったらくりっくをお願いします。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読みきかせ・表現よみ(音読・朗読)の工夫] カテゴリの最新記事
|