抽象概念の指導で、海辺のQさん は、次のようなコメントをおよせくださいました。大変、ありがたいことです。このように、ご自分のお子さんをご覧になられてお考えになるお母さんガ、日本の教育を良くしていく力になるからからです。
・・・・・・以下、引用です・・・・・・・・・・・・・・・・
なるほどなあ・・・と思いました。
たしかに、「1」などの数字も「抽象概念」ですよね。
非常に身近な「数字」が、抽象概念だったんだ。。。
といまさらのように新鮮です。
しかし、どうやって我が子に説明するか。。。
私の場合、そのあたりが一番苦労しそうです^^;(
海辺のQさん のページ
小学生ママは、今日も元気
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苦労するのは、当然でしょうか。僕ら、毎日教育に関わっているものさえ、まだ、試行錯誤なのですから。いたらなくてすみませんという所です。
その例です。
この事に関して、大きくとらえてから細かいところに入っていった方が、よいと思いますので、下記の僕の論文をご紹介いたします。
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かつては、国語教育では、「概念くだき」が重要だということが、よく言われました。
それと併せて、「概念の形成」の大切さも主張されました。
この2つが言われた根底には、『落ちこぼし』を出さないで、全ての子の学力を向上させるという教育のモラルがあるからなのです。
そうなのです。
概念の教育の重要性を考える背景には、落ちこぼしを出さない。
そして、学力を向上させる、それには、9歳の壁を乗り越えることが、大切である。
そして、9歳の壁を乗り越えは、概念を習得する事が密接に関係しあっている。
だから、概念の習得は重要であると言う考えがあるからです。
あるとき、長男宅に電話をしますと、3歳の孫が出てきて次のような話になりました。
「何を今、食べているの?」
「種がはいっているパン」
「ごまのはいっているパンでしょう?」
電話のそばで、お母さんが、
「ごまパンよ」と言っているのが聞こえます。
3歳の子どもが「たね」という概念語を使った例です。
お母さんは、この概念語(たね)を(ゴマ)に置き換え、概念くずしをしてあげています。
次は、国語科ではなく算数数学科の「1あたり量」の概念の指導ですが、本当に感動てきです。
2年生で『1あたり量』を指導した実践です。(数教協・鈴木一巳氏)
それは、
「秋の野原」
「1あたり量さがし」
「ぶどうのたねとばしきょうそう」
「ぶどうの実1に入っているたねは1あたり量になるか」
「1あたり量のかくれているひみつ」
と言う指導過程で展開されています。
この学習過程の中で、2年生の子どもが、1あたり量の概念を身に付けています。
つまり、具体的のことから、抽象的な「1あたり量」の学習をを2年生の子どもが楽しそうにやっているのです。
(詳しくは、数教協の出版物をご参照ください。)
「たねのはいったパン ゴマパン」が「概念くずし」です。
それに対して、「ぶどうのたね」から「1あたり量」を発見するは、「概念作り」と言えます。
概念習得の2つの道・・・概念習得の上向性と概念習得の下向性」
表現よみの提唱者・故・大久保忠利氏(元・都立大學教授・国字研創立者・児言研の理論的な指導者)は、概念研究の大切さを最期まで、訴えていました。
氏の最終講義は、概念についてでした。
氏のその研究の中に
「概念習得の上向性と下向性」について述べた文章がありあります。
(大久保忠利著作選集・三省堂・5巻・『コトバの心理と論理』20p)
「概念習得の上向性」とは、下から上への道です。
個別的・特殊的事例から一般化への道です。
前の例では、「ぶどうの種」での学習です。
「概念習得の下向性」とは、一般的なものから特殊的・個別への道と述べています。
これは、「たね ゴマ」の例です。
いわゆる概念くだきは、これに入ります。
(続きます)
*計算ドリルについて、下記のページに丁寧なご意見があります。ご紹介しておきます。
道草学習の進め
この僕のブログについては、下記の本の理論編で詳しく述べてあります。
*1年から4年までの理論編、全てに載っています。
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