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カテゴリ:・漢字指導
コトバの力・言語力の重要性が、ここで、急に盛んに言われていますね。
では、これをどのようにして付けていったら、良いのでしょうか。 ここでは、コトバの力で大きな位置を占める、 漢字の指導について考えて見たいと思います。 ご一緒にお考え下さると、うれしいです。 そして、率直なご意見をくださると、なお、ありがたいです。 ・・・・・・・・・・・・・・ 「作用」は、学習論理語・抽象語ですね。 画数は少ないので、 学習直後のテストでは、100点になりやすいのですね。 ところが、1ヶ月もすると、「墓」の漢字は書けるが、 「作用」では書けない子が多く出ます。 * 僕等の調査では、4年生で、8パーセント、5年生で22パーセントしか書けなかった。 墓は、画数が多いが、興味が、あるので、覚えているんですね。 作用は、興味もなく、抽象的で、日常出てこないからですね。 意味が分からず、日常生活で出て来ない抽象語は、記憶から 抜けてしまいがちですね。 では、この作用をどのように指導したら、よいか、研究会の紺屋 冨夫さんが、 教課審に出した意見を、基に授業展開案を記述してみました。 ・・・・・・・・・・ T この時間は、作用の学習でしたね。 作用という漢字語を何処かで、見たことありますか。 C ある、あるよ、お兄ちゃんの理科の本に出ていたよ。 C ・・・・・ C ・・・・・ T そう、これは、これからの学習でうんと使われるんだね。 だから、学習語・学習論理語というのだよ。 学習で、先生などがドンドン使うし、教科書でも出てくるから、 この作用の意味が、わからないと、 その学習も、分からなくなってしまうこともあるんだよ。 だから、しっかり学習しようね。 C わかった。 T ところで、この作用って、どんな意味かな? 作る・使う・用いると同じ意味かな? * 教科書で、作用が使われていたら、文脈から、この作用を考えさせる。 T 作る・使うと意味が違うようですね。 T それでは、辞典で、作用の意味を調べてみよう。 ・・・・ 子ども達、調べる・・・・・ C ホカのものに働きかけて、その様子を変える事(三省堂例解小学漢字字典)です。 C 先生、この意味は、つくるや用いると違っています。 T どうしてでしょうか?それを、これから、調べてみましょう。 T この作用、一つ一つの漢字に分けると、どうなりますか? C 作と用です。 T では、作の意味を考えよう。 C 「つくる」だけではなく、「する。行う。働く」もあります。 T その用語例を出してみましょう。 C 作業。作動。作法。操作。動作などがあります。 T では、用の意味と用例を考えてみよう。 C 意味は、「用いる・仕事」だけではなく「働きもあります」 T では、用例はどうでしょうか? C 器用。 効用。両用などがあります。 T では、実際、この意味で、使われているのを見た事がありますか。 C 薬の作用で、風邪が治った。 C 植物の呼吸作用という事を聞いた事があります。 C お兄ちゃんの本に、力点・支点・作用点というのがありました。 T 色々、使われているんですね。 T 今までの学習で、感じた事・分かったことなどありますか。 C 作用は、作る・用いるという意味の漢字を使っていたので、 作ることか、用いる事の意味かと、思っていたら、まったく、別の意味でした。 C でも、作用の意味は、「ホカのものに働きかけて、その様子を変える事」 という事でしたが、働きかけて変えるという意味は、 その漢字の中に、隠れていました。 C 先生、その隠れた意味は、習っていませんでした。 T そうでしたね。 でも、漢字は、意味を変えているんですね。 目という漢字は、見る目の使い方から、目的として使われると、 まったく違ってしまいますね。 これを、漢字の変転というのですよ。 この事を考えて、漢字語の学習をするといいのですね。 T 他にどんなものがあるかな? C 口笛と人口。 C 手袋と手紙 C 手足と発足 C 子どもと冊子 C 風車と拍車 T 元の意味と違った使い方のものが、たくさん、出せましたね。 T では、実際、作用を使って、文を考えて見ましょう。 C 薬の副作用で、頭が痛くなった事があります。 C 作用に対して、反作用というのがあると本に書いてありました。 C 植物は、呼吸作用をしていて、このことは、温暖化と関連があります。 C 動物は呼吸作用をしています。僕は、今も、しています。 C スキーは、上体を硬くすると、それが、板に作用して、うまく滑れなくなると、父 が言っていました。 ・ ・・・・・・・ ・ ・・・・・・・ ・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ このようにして、意味、使い方を学習させます。 そうすると、意味が理解できますから、 漢字テストでは、必ず、書けますね。 書けないということは、まず、起きないでしょうね。 画数が、少ない漢字ですし、低学年で書き方は、 習得済みですからね。 結局、作用が書けないのは、意味が分からないからだったのですね。 ご面倒でしょうが、 下のマークの応援クリックして下さると、うれしいです。 下記の本は、漢字教育のあるべき姿と実践を載せています。上の意見を詳しく書いています。 * こちらは、1字・1字の指導の練習帖です。 1セット5過程に基づいた展開になっています。 1~6年生まで揃っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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